「世界の猛者」を日本で目撃せよ! リーグワン所属のW杯戦士をピックアップ

斉藤健仁

南アフリカ代表の一員として活躍したチェスリン・コルビは、今季から東京サントリーサンゴリアスでプレーする 【写真:REX/アフロ】

 9月8日(金)に開幕したW杯も、残すは決勝のみとなった。日本時間10月29日(日)に決勝が行われるが、「W杯後」に目を向けると、リーグワンの開幕が12月9日(土)に控えている。リーグワンのチームには、今回のW杯で活躍した選手も多く所属している。ここではそんな選手たちを紹介する。

南アフリカ代表では8名がリーグワンに所属

ジェシー・クリエルは2019年から、ファフ・デクラークは2022年から横浜キヤノンイーグルスでプレーしている 【Photo by Anthony Au-Yeung/Getty Images】

 W杯決勝のカードは、連覇を狙う「スプリングボクス」こと南アフリカと、「オールブラックス」ことニュージーランドとなった。ともに過去3度の優勝を誇る南半球強豪同士の激突となったが、両者が決勝で激突するのは1995年大会以来となる。

 この2チームは、12月9日(土)に3シーズン目が開幕するリーグワンのチームに所属する選手が多いチームでもある。特に連覇を狙う南アフリカは8名と最多で、今大会の準決勝のメンバー23名中7名がリーグワンに所属している。

 すでに日本でプレーしている選手としては、昨季準優勝した埼玉パナソニックワイルドナイツのCTBダミアン・デアレンデが中盤の要として躍動している。また、昨季ベスト4の横浜キヤノンイーグルスにはSHファフ・デクラークとCTBジェシー・クリエルがおり、どちらもスプリングボクスで大きな存在感を示している。

 トヨタヴェルブリッツには、2019年の世界最優秀選手のFLピーターステフ・デュトイが所属している。後半のインパクトプレイヤーの1人として存在感を示しているFLクワッガ・スミスは2018年から静岡ブルーレヴズ(当時はヤマハ発動機)に在籍し、昨季から主将を務めている。さらに、今季からディビジョン1に昇格した三重ホンダヒートにもLOフランコ・モスタートが所属する。

 また、リーグワンの昨季王者であるクボタスピアーズ船橋・東京ベイにはHOマルコム・マークスが所属しているが、膝のケガのため残念ながら今大会は途中で離脱している。さらに、昨季ベスト4の東京サントリーサンゴリアスでは、今大会の準々決勝でプレースキックをチャージしたことで脚光を浴びた「ポケットロケット」WTBチェスリン・コルビが新たにプレーする。爆発的なスピードはファンの注目を集めそうだ。

東芝ブレイブルーパスにはオールブラックスから2人が加入

オールブラックスのリッチー・モウンガ、シャノン・フリゼルが東芝ブレイブルーパス東京に加入する 【Photo by Hannah Peters/Getty Images】

 一方のオールブラックスにも大会終了後にリーグワンに加入したり、すでにプレーしている選手が多く在籍。準決勝アルゼンチン戦のメンバー23名のうち6名が、日本でのプレーを控えている。

 まず、リーグワンの前身であるトップリーグで最多タイの5度優勝している東芝ブレイブルーパス東京には、準決勝まで50得点を挙げており、国内の常勝クラブといわれるクルセイダーズでもチームを支えた司令塔のSOリッチー・モウンガ、さらにフィジカルの強いFLシャノン・フリゼルの2人が加入する。チームには日本代表リーチマイケルらもおり、リーグワン初タイトル奪取への本気度がうかがえる。

 日本代表NO8姫野和樹が所属するトヨタヴェルブリッツには、予選プールのイタリア代表戦でハットトリックをしたベテランSHアーロン・スミスと、トップリーグ時代にはサンゴリアスでプレーし、過去2度にわたって世界最優秀選手に輝いているSO/FBボーデン・バレットが加わる。ともに代表キャップ数は120を超えており、豊富な経験を持つ2人がハーフ団としてチームをけん引することができるか。

 また、昨季9位と低迷したコベルコ神戸スティーラーズには、やはり過去にも神戸でプレーしたベテランLOブロディ・レタリックと、2試合でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いているNO8アーディ・サベアの2人が参戦する。FWパックがさらに強化されることは間違いない。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)、「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「はじめてでもよく分かるラグビー観戦入門」(海竜社)など著書多数。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント