五輪レース激化のバドミントン女子ダブルス ジャパンOPで天敵撃破なるか?

平野貴也
 バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」が、25日から代々木第一体育館で開催される。BWF(世界バドミントン連盟)ワールドツアーで2番目に高い格付けのスーパー750。全5種目で世界最高峰の選手が集う。24年4月末まで1年をかけて24年パリ五輪の出場権獲得レースが行われており、スーパー750に設定されている高い世界ランキングポイントをめぐり、激しい戦いが展開される。

選手層が厚い女子ダブルスは7組出場

世界ランク4位の松本/永原ペアをはじめ、今大会女子ダブルスでは7組のペアが出場する 【平野貴也】

 中でも、注目されるのは、日本が最も厚い戦力層を誇る女子ダブルスだ。日本からは、どの種目よりも多く7組のペアが出場する。世界ランク4位(※以下、世界ランクは7月18日更新時)の松本麻佑/永原和可那(北都銀行)、6位の福島由紀/廣田彩花(丸杉)は、ともに東京五輪でベスト8。2大会連続の五輪出場を目指している。以下、7位の志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)、13位の櫻本絢子/宮浦玲奈(ヨネックス)までが日本A代表。さらに18位の中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)、25位の廣上瑠依/加藤佑奈(再春館製薬所)、リザーブ登録から出場がかなった59位の保原彩夏/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO)と日本B代表勢が続く。

五輪出場は最大2組、世界ランク1ケタ3組の巴戦に

 ジャパンオープンにおける女子ダブルス日本勢の注目点は、2つある。1つは、日本勢でどのペアが最もポイントを稼ぐか。五輪は、1カ国からの出場が最大2組。来年4月30日更新の世界ランクで8位以内に日本勢が2組以上入ることが2枠適用の条件となる。2枠を得られるとしても「8位以内」と「日本勢2番手以内」の条件を満たす必要があり、後者の点から、単に好成績が求められるだけでなく、他の日本勢を上回ることも重要となる。

 まだ五輪レースは序盤だが、最もポイントを稼いでいるのは、ともに身長170センチ台の長身ペア、松本/永原だ。個人戦では出場したすべての大会で8強以上に進出。永原は「結果がすごく悪いわけではないですけど、特に満足できるものではない。もう一つ上に行きたいところで勝ち切れていない。相手が狙っているところに吸い込まれるように打ってしまっているときがある。もっと相手を見て、構えていないところに打ちたい。修正できれば、失点を抑えて勝ったり、競った場面で相手がやりにくい展開にできると思う」と序盤の手応えを語り、進化のイメージを描いていた。

東京五輪前に右ひざの大怪我を負った廣田(左)も少しずつ回復し、五輪レースに向けて手ごたえをつかみつつある 【平野貴也】

 次点は、福島/廣田。21年夏の東京五輪直前に右ひざ前十字じん帯断裂を負った廣田は、22年春に国際大会へ復帰し、少しずつ回復。「(レース開幕直前の4月に)アジア選手権は、久々に優勝できたし、良いパフォーマンスが出せた。それまではリハビリ途中で、体力的にきつかったり、スピードや瞬発力で付いていけない部分があった」と苦難の道を振り返った。昨夏に日本で行われた世界選手権、ジャパンオープンは福島のケガで出場できなかったが、五輪レースは、状態を整えて臨めており、福島は「(負傷の影響で)自分たちのパフォーマンスができないことで負けていることも多かった。2人のプレーがかみ合えば、トップの選手ともやれる」と手応えをつかんでいた。

 僅差の3番手につける志田/松山は、5~6月の大会では出遅れ気味だったが、7月上旬のカナダオープン(BWFワールドツアースーパー500)で上記2ペアとの直接対決を制して優勝。三つ巴の戦いが、ジャパンオープンでどのように変化を見せるか注目される。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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