五輪レース激化のバドミントン女子ダブルス ジャパンOPで天敵撃破なるか?

平野貴也

後続2組も追い上げに意欲、宮浦は初出場に万感の思い

1年前に結成し、急速に力をつけてきた櫻本/宮浦ペア。初出場となるジャパンオープンで結果を残せるか 【平野貴也】

 また、7月18日時点では3組にポイント差をつけられているが、後続2組もシード選手を破るなど伸びしろを見せている。日本勢4番手の櫻本/宮浦は、ペアを結成したのが約1年前。ランキングを急激に上げているが、まだシードを得られていないのが苦しいところ。櫻本は「1回戦から強い相手と当たる。そこを突破するだけでも簡単ではない。勢いに乗ったら勝てるけど、攻略されたら対応できないことが多い。相手によって作戦を変えるなど、プレーの幅を広げたい」とバリエーション増を課題に挙げた。

 宮浦は、初出場となるジャパンオープンに特別な思いを抱いている。

「ずっと出場したいと思っていて、出られなかった。ヨネックス所属なので、大会中は販売ブースにはいたけど、そこではなくて試合をしたいと思っていた。どうしても、自分もこの舞台に立ちたいと思い続けてきた。一番、出たかった大会。すごく楽しみ」(宮浦)

攻撃力の高い中西/岩永ペア。「五輪レース後半でチャンスを作りたい」と意欲を見せる 【平野貴也】

 5番手の中西/岩永も、強国インドネシアのエースペアを2度破ったり、ジャパンオープン前週の韓国オープン(BWFワールドツアースーパー500)で志田/松山を下したりと活躍。状況に応じたレシーブを選択できるようになり、攻撃力を生かせるようになっている。中西は「五輪レースとしては、もうひと頑張り必要だし、大会の優勝が必要。でも、シード選手に勝つ回数が増えてきた。今は差を埋めて勢いに乗れれば。レース後半でチャンスを作り出したいと思っている」と追い上げに意欲を示した。

日本勢が1勝8敗の天敵・韓国ペアを止められるか

 7番手まで含めた日本のペアで誰が最上位に勝ち上がるのかが注目されるが、1回戦から強豪と対戦する組み合わせも多く、上位進出は容易ではない。また、今回は「日本vs世界」の観点から、もう一つ注目点がある。五輪レースが始まってから、日本勢が1勝8敗と苦戦している天敵、イ・ソヒ/ベク・ハナ(韓国)を誰が止めるのかという点だ。前回のジャパンオープン後に組み替えたペアで、高さを生かした強打を武器とする長身のイ・ソヒは、3大会連続の五輪出場を狙うベテラン。前衛で巧みなプレーを見せる若手のベク・ハナとのペアは、日本の選手が口をそろえて「安定感がある」と評する。組み始めて1年で世界ランクを2位まで高めてきた。

 この種目は、世界ランク1位で東京五輪銀メダルのチェン・チンチェン/ジァ・イーファン(中国)が最も高い評価を受けているが、韓国ペアも迫る勢いがある。日本勢が五輪出場権獲得で満足せず、パリでメダルを取るためには、負け続けるわけにはいかない。ジャパンオープンでは、中国ペアが第1、韓国ペアが第2のシード。ホームで臨む日本勢には、上位に進出するだけでなく、両ペアに勝つことも期待したい。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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