いよいよバドミントンの五輪レースがスタート 初戦に挑む日本代表「2つの注目ポイント」

平野貴也

いよいよバドミントンの五輪レースが始まる。団体戦で主将を務める保木は「世界一を目標に」と意気込んだ 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

主将の保木は「世界一を目標に」

 バドミントン日本代表の24年パリ五輪出場権獲得レースが始まる。初戦は、14日開幕の男女混合国別対抗戦スディルマン杯(中国・蘇州)。21年の前回大会で2大会連続3度目の準優勝となった日本は、悲願の初優勝を狙う。主将を務める男子ダブルスの保木卓朗(トナミ運輸)は「選ばれたメンバーはみんな、世界一になりたいと思っている。世界から見ても日本のチームは強いと思うし、誰が出ても良い戦いができると思う。世界一を目標に頑張りたい」と意気込みを語った。

 隔年で行われるスディルマン杯は、5種目で1試合ずつを行い3勝を争う団体戦で、各チームの総合力が問われる。4チームずつ4組に分かれたグループリーグを戦い、各組上位2位が決勝トーナメントに進む。日本は、強豪の韓国と同じD組。14日の初戦でイングランド、15日にフランス、17日に韓国と対戦する。

 日本は、女子ダブルスで世界ランク1ケタの3ペアを擁するほか、女子シングルスで世界選手権2連覇の山口茜(再春館製薬所)、混合ダブルスで世界選手権2大会連続銀メダルの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)など全種目に1ケタランクの選手が揃い、充実のラインナップで大会に臨む。過去3度の準優勝は、いずれも決勝で中国に敗れたもの。インドネシア、マレーシア、韓国といった強豪としのぎを削りながら、17回中12回優勝と圧倒的な強さを示している中国の牙城を切り崩しに行く。

 連戦になるため、選手の起用方法もポイント。層の厚い女子ダブルスは、頼りどころだ。東京五輪でともにベスト8だった福島由紀/廣田彩花(丸杉)、松本麻佑/永原和可那(北都銀行)、五輪後に台頭して世界ランクを2位(5月9日更新時)まで上げた志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)の陣容は強力。日本の副将を務める福島は「(女子ダブルスは、自分たちのほかにも)頼りになる2ペアが自覚を持ってやっている。誰が出ても自信を持って戦える。(女子ダブルスで)1ポイントを取れればいい」と総力戦に自信を示した。

最高グレードの大会で高ポイント、五輪レース初戦としても注目

 保木は「レースが始まりますけど、そこは考えず、目の前の1試合1試合で実力を出して行けばいい」と主将らしくチーム最優先の考えを示したが、今大会は、五輪レースの初戦としても注目される。最高グレードの国際大会で、出場者が獲得できる世界ランキングポイントが大きいため、レースをリードする意味でも重要な意味を持つ。

 パリ五輪の出場権は、直近1年の成績が反映される24年4月30日更新の世界ランキングに準拠。1年間に獲得したポイントの高い10大会分の合計でランクが決まる。レース初戦となるスディルマン杯は、チームが上位に入れば高いポイントが得られる。出場選手が五輪レースを終えた際にポイント上位10大会分に入る可能性が高く、価値ある貯金となるはずだ。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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