海外組4名でU19W杯に挑む日本代表 岡田大河はスペインから世界を目指す“バスケ界の久保建英”
マルチネスHC(右)の指示に耳を傾ける岡田大河(中央) 【(C)JBA】
12選手中4名が海外でプレー
■男子U19日本代表
ジェイコブス晶(SG / 203cm / NBAグローバルアカデミー/ 19歳)
湧川颯斗(PG / 194cm / 滋賀レイクス/ 19歳)
岡田大河(PG / 174cm / Zentro Basket Madrid/ 19歳)
小澤飛悠(SF / 188cm / 日本体育大/ 18歳)
八重樫ショーン龍(SG / 185cm / 白鷗大/ 18歳)
坂本康成(SG / 194cm / 筑波大/ 18歳)
武藤俊太朗(SF / 190cm / 明治大/ 18歳)
川島悠翔(PF / 200cm / NBAグローバルアカデミー/ 18歳)
小川瑛次郎(SG / 187cm / 羽黒高/ 17歳)
ロロ・ルドルフ(PG・SG / 188cm / St.Augustine High School / 17歳)
内藤耀悠(SF / 190cm / レバンガ北海道U18/ 17歳)
渡辺伶音(PF / 204cm / 福岡大学附属大濠高/ 17歳)
岡田大河は既にスペイン4部(Liga EBA)のプロとしてプレーしている。2004年5月生まれの大学1年生世代で、174センチ・67キロのポイントガード(PG)だ。父・卓也氏はバスケの指導者で、アメリカの独立リーグABAにチームを作って日本から派遣するなど「日本人選手が世界のバスケと接する」ための活動をしてきた人物だ。
岡田は2019年春の第32回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会(ジュニアオールスター)に静岡県選抜として出場し、ベスト8入りに貢献した。小柄ながらスキルが高く、左利きで、観戦して「違い」を感じた人材の一人だった。静岡大学教育学部附属静岡中を卒業すると日本の強豪校やアメリカでなく、ヨーロッパへ渡り今に至っている。育成年代からスペインに渡り、同地のプロになった左利きの技巧派という要素はサッカー日本代表の久保建英(レアル・ソシエダ)と重なる部分がある。
アシストで有言実行
「プロとしてしっかりやったのは(2022-23シーズンが)1年目でしたが、生き残っていくためには(個人の)数字も残さないといけません。個人的にはアシストが平均のランキングで2位、トータルは1位としっかり結果を出せたので、有言実行できたと思っています」
兄貴分の日本代表には富樫勇樹(千葉ジェッツ)、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)と更に小さい選手もいるが、174センチはU19日本代表の中で最小。さらにいうと岡田は特にアスリート性に恵まれたタイプではない。しかし彼は小型選手が日本以上に珍しいスペインで、プロの生存競争に飛び込んだ。特に守備で、相手チームはそこを弱点と見て突いてくる。
「コートの中では誰よりも戦わなければいけないと思っています。身長、体格に恵まれてないだけで周りから“駄目なところ”と見られてしまう。A代表には結果でくつがえしてきた人たちがいるので、自分もその一人になれたらいい」(岡田)
岡田はバスケIQが高く、試合を組み立てる、周りの強みを引き出す能力に長けた司令塔だ。自らのU19代表における役割をこう口にする。
「ポイントガードなので、ゲームコントロールや、チームを勝たせることが仕事です。自分たちはシュート力があると思うけれど、ガードはそこを生かすところが大事。うまくシューターたちのスペースを作ったり、自分がベンチにいる間も声を出したりして、チームがしっかりひとつになっていけばいい」