12球団の“熱烈”識者が語る!昨シーズンと新シーズン

投手は100点だけど課題は打撃 西武識者が「どうしても名前を覚えてほしい」選手とは?

Timely!編集部

2022年シーズンは投手陣が奮闘を見せた埼玉西武ライオンズ 【写真:共同通信社】

 既に始まっている、新シーズンに向けての戦い。監督の交代、ドラフト会議、トレード、新助っ人獲得、現役ドラフトなどを経て、あなたの応援するチームはどのように変貌するのだろうか? そこで、12球団の"熱烈"な識者の皆さん12人とライター菊地高弘さんに、昨シーズンを振り返りつつ、新シーズンへの期待、展望などを対談形式で存分に語って頂きました。

 第10回目となる今回は埼玉西武ライオンズ編。ライオンズ応援番組などでMCも務めるお笑いコンビ・あさりどの堀口文宏さんとライター菊地高弘さんの対談をお届けします。

チームカラーが変わった2022、投手陣は100点!

自己最多の12勝を挙げ投手陣を引っ張ったエースの高橋光成 【写真:共同通信社】

菊地 まず2022年の西武の話から聞きたいと思うんですけど、途中までは美味しいお酒が飲めそうなシーズンだったと思うんですけど、いかがだったでしょうか?

堀口 そうですねぇ、最終的にはずっと美味しいお酒は飲めていたんじゃないかと、個人的には思っております。なぜなら前年は最下位で完敗のシーズンでしたから、そこが基準になっての2022シーズンだったので、比較的毎日美味しいお酒は飲んでおりました。

菊地 そうでしたか。数字的な振り返りをさせていただくと、72勝68敗3分け、首位と3.5ゲーム差の3位。チーム防御率が2.75でリーグトップ、チーム打率が.229でリーグ最下位という、分かりやすい「投高打低」というシーズンだったわけですけども。

堀口 こんなことあります? 今まで逆だったチームですよ? 打率が1位で防御率が4点台の最下位で、というのがこんなに変わりますか? 「この投手力どこにあったの?」「今まであった打撃力どこ行っちゃたの?」という感じなんです。

 打撃の方では打つべき人が得点圏とかで打てなかった。期待していた若手もチャンスを掴むというところまではいかなかった。だから打撃の歯車が合っていなかった。

 逆にピッチャーの方は歯車が合いまくっていました。シーズンの中盤くらいに、中継ぎ、抑えをやっていた平井(克典)投手、増田(達至)投手に(投手陣が好調な理由を)聞いたんです。そしたら「ブルペンの雰囲気が良いんです。そこじゃないですか?」って言うんです。いやいや! ブルペンの雰囲気が良くなっても防御率は良くならないでしょ、平井さん!

菊地 はいはい。

堀口 そういう話じゃなくて、マジな話で、具体的に何か変えたこととかないんですか? って聞いたら、平井投手も、増田投手も声を揃えて「マジでありません、分からないです」って言うんです。

 僕も芸歴30年を超えていて、欽ちゃん劇団出身で今でも師匠は萩本欽一ですけど、欽ちゃんからは「分からないとか、できないって言ったらおしまい」って言われてきたんですよ。だから平井投手も増田投手も欽ちゃん流に言うと0点なんですよね。

菊地 (笑)。

堀口 ただ平井投手が言っていたんですけど「一つ言えるのは、ブルペンに入っている投手が全員良い。自分が打たれたら翌日は2軍に落とされる。そういう危機感のなかで戦っていたのは間違いありません」と。

 もちろんね、その気持ちだけが投手陣がよくなった理由ではないと思うんですけど、僕らの悪い癖なのか、どうしても原因とか要因とかを求めたがるじゃないですか? でもそういうことだけじゃ語りきれないものがあるんですよね、きっと。

菊地 どちらかというとリリーフ陣が打たれるというイメージがあった中での2022シーズンだったので、多分西武ファン以外のいろんなファンも驚いたと思いますね。

堀口 チームカラーが全く変わっちゃいましたもんね。防御率も悪いピッチャーで2点台とかですからね。どういうことなの? っていうね。

菊地 打つ方では打率.215だった外崎(修汰)選手を中心に、低打率の選手が打順を占めてしまった感じですよね。

堀口 そうですね。良くて山川(穂高)選手の.266、源田(壮亮)選手も2022年は怪我が二度ありましたし、あの鉄人源田が。打率もプロに入って初の2割6分台に終わりましたし、外国人選手も奮わず。オグレディ選手もホームランは15本打って頑張ってくれましたけど、打率が.213では、というところですもんね。

菊地 そういうなかで、2022シーズンに点数をつけるとしたら100点満点で何点をつけられるでしょうか?

堀口 ずばり80点!

菊地 結構高いですね。

堀口 まずは投手陣に関しては穴がありませんでしたし、二桁勝利投手も3人輩出しましたので100点です。高橋光成投手、エンス投手、與座(海人)投手、立派でございました! マイナス20点はやっぱり打撃陣ですよ。

菊地 なるほど。シーズンを戦っているなかで、この選手がもうちょっと......と感じた選手はいますか?

堀口 ずばり、オグレディ選手です、僕は。外国人選手がとてもキーになったシーズンだったと思うんですよ。日本人選手の目立つ補強はしませんでしたから、足りない部分は外国人選手を獲ってくるわけですよ。そういうなかで、オグレディ選手、そしてジャンセン選手が奮わなかったというのは、ちょっと痛かったですよね。

 特にオグレディ選手は左バッターということもあって、右バッターの大砲は既にいますから、左でもう一枚大きいのが打てる選手がいれば、打線も良くなったんじゃないかなというのがありますよね。

菊地 打線の援護という意味では、ルーキーの隅田知一郎投手が打線の援護がなくてなかなか勝ちがつかなくて(1勝10敗)、モヤモヤするというか、見ていてちょっと可哀想でしたね。

堀口 非常にもどかしかったですね。我々の応援も足りなかったと思うので、この場をお借りして隅田投手、すみませんでした!

菊地 (笑)

堀口 めちゃくちゃナイスガイだし、すごく良いピッチャーですよ。先日のとあるパーティーで「今年の借金分を払い戻して、今年の成績を逆にします。10勝1敗にします!」と松井稼頭央新監督に宣言しておりました。ですので新シーズンは期待しております!

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