12球団の“熱烈”識者が語る!昨シーズンと新シーズン

投手は100点だけど課題は打撃 西武識者が「どうしても名前を覚えてほしい」選手とは?

Timely!編集部

松井ライオンズのキーマンは「蛭間拓哉です」

4年ぶりとなるV奪回への期待がかかる松井稼頭央新監督 【写真:共同通信社】

菊地 2023シーズンの話をしていきたいんですけど、森友哉選手がFAでオリックスへ移籍してしまったわけですけども、そんななかで新シーズンに明るい材料を見つけるとするとどんなところになるでしょうか?

堀口 ズバリ、監督が代わったところですね。もちろん、辻(発彦)監督の勇退は寂しくもありますし、6年間お疲れ様でしたというところなんですけども、でも「さぁいよいよ来たぞ! 松井ライオンズ!」というのがまず一つ明るい話題ですよね。

菊地 松井監督との相乗効果で期待の若手が育ってくるんじゃないかという、期待が出てくるのかなと思うんですけども。

堀口 それはめちゃくちゃありますよ。ご本人の就任会見でも仰っていましたけど「足を絡める、足を絡める、足、足、足.....」ってずっとトークに足を絡めていましたから、とにかくみんなもそれを見たいと思うんですよね。

 残念ながら2022年は盗塁数が60個でパ・リーグ最下位。1位のロッテが132個なんですよ。でも西武にも走れる選手はたくさんいますから、足を生かして頑張っていただきたいですよね。

 若手で言いますと、走攻守揃った長谷川信哉選手に松井ライオンズの象徴になって欲しいという感じはありますね。自身の1年目は松井さんが二軍監督の時で、松井さんが1軍でヘッドコーチになった時に育成から支配下になって、ちょこちょこと1軍に出始めていますので、松井監督も彼の良さは分かっていると思うんですよ。内外野を守れるところも強みだと思いますので、長谷川信哉選手に注目したいなと思っています。

菊地 そういうなかで、2023シーズンのキーマンを一人挙げるとしたら誰になりますか?

堀口 蛭間拓哉選手です!

菊地 いきなりルーキーに!?

堀口 もう期待は大きいですよ! ライオンズもちょっと変わろうとしていると思うんですね。源田、外崎という二遊間がしっかりといて、野手はこの二人がチームの中心となっています。この二人がキャプテン、副キャプテンとして2023年、走ります。長期契約も結びましたし。そういうところで言いますと、もう一人若手のリーダーが必要なんですよね。そこをルーキーですけど、浦和学院の時からキャプテンを張ってました蛭間選手に大きな期待を寄せております。

菊地 私もアマチュア野球を取材する者としてこの一年、蛭間選手のもとに選手達が集まるという場面を見てきています。

堀口 例えばどういう感じですか?

菊地 日本代表の候補合宿とかでもですねぇ、多くの選手が蛭間選手に話を聞きに行ったりですとか、蛭間選手がみんなを集めて技術論を交わしたりですとか、だから「これ、蛭間に教わりました!」みたいな話を他の選手からたくさん聞くことがあったんです。だから蛭間選手が例えレギュラーを獲れなかったとしても、1軍のベンチにいるだけで戦力になれるんじゃないかと取材を通して感じた選手なんです。

堀口 おぉー。いやぁ嬉しいっすねぇ! 蛭間選手が頑張ると、相乗効果として(浦和学院時代のチームメイト)渡邉勇太朗投手にも期待できますよね。

開幕投手に推したいのは背番号を変えたあの投手

「投げることになったら面白い!」と堀口さんが開幕投手に推す今井達也 【写真:共同通信社】

菊地 2023年のライオンズの順位は何位になりそうでしょうか?

堀口 1位でお願いします!

菊地 やはりそうですよね。

堀口 そこを目指せる位置に今年はちゃんといると思います。監督は代わりますけどチームが0になるわけじゃないので、一旦仕切り直しになはなりますけど積み上げてきたものがたくさんあります。

 投手陣も整ってきました、新戦力も加わってきました、新外国人選手も入ってくることでしょう、これらがハマると考えて、もちろん1位でございます!

菊地 特にここは手強いなぁ、マークするべきだなと思う球団はどこになりますか?

堀口 マークはもちろんソフトバンクホークスになってきます。でも2年連続パ・リーグを制しているオリックスには森友哉選手がいます。ライオンズは開幕戦の相手がオリックスです。だから開幕3戦で森選手の胸元をバンバン攻めて、「来たな! やってやろうじゃん!」って、森選手に火をつけるくらいの気持ちで、お互いの真っ向勝負を開幕シリーズで見たいですね。

菊地 逆にライオンズ側は誰が(キャッチャーとして)リードするのか、というところも一つ見所かもしれませんね。

堀口 ここは本当に2023シーズンの課題と言いますか、正捕手不在ですからある意味チャンスなんですよね。岡田雅利選手は怪我明けでもしかしたら難しいかもしれませんが、それに次ぐ柘植(世那)選手、古賀(悠斗)選手に期待したいなというところですね。

菊地 ちょうど開幕戦の話も出ましたけども、開幕投手を勝手に指名するとしたら誰になりますか?

堀口 文句なく高橋光成投手! なんですが、僕が喋っていて「開幕は高橋光成投手」だと当たり前だと思うんですよね。だから対抗馬はエンス投手。やっぱり10勝してますのでね。さらにもう一枚、大穴といっては大変失礼なんですが、今井達也!

菊地 なるほど!

堀口 今井が開幕で投げることになったら面白いですよ! 背番号も48になりました!

菊地 武隈(祥太)投手のつけていた番号ですよね。

堀口 そうなんですよ。普通はね、高卒で入団したら背番号が大きくて、この背番号を小さくしたいと頑張るんですよ。それを岸孝之(西武→楽天)から受け継いだ背番号11から48になった。なんでやねん!!(笑)。

菊地 (笑)。そういう意味では前代未聞だと思いますね。

堀口 これが今井のたっちゃんなんですよ。らしいといえばらしい。同期入団の鈴木将平選手も「らしい」「これが達也だ」って言ってました(笑)。

菊地 ピッチャーって特殊な人格がちょっと多いですからね。そういう意味でも西武投手陣が2023年も活躍できるかというのも楽しみに見守りたいなと思います。

堀口 菊地さん、ファームの選手でどうしても一人だけ、名前を知っておいてほしい選手がいるので、ちょっといいですか?

菊地 どうぞどうぞ。

堀口 宮本ジョセフ拳選手なんです。登録名はジョセフっていうんですけども。彼は三重県四日市出身で僕も三重県の観光大使をやっているのですごく推したいんですよね。2023年が育成の3年目に入るんですけども、身体能力は高いんですけど1年目は体力作りで必死でした。2年目の2022年はシーズン開幕して直ぐくらいに両打ちに変えました。ここがポイントなんです。松井新監督も両打ちだったじゃないですか? というところを見ると、ちょっと面白いぞと。しかもライオンズの両打ちは金子侑司選手、川野涼多選手に次いで3人になったんですよ。

 秋の秋季キャンプではバッティング練習でまだ空振りもしていました。このジョセフ選手がここからどうやって支配下に上がって、どうやって上にいくのかというね、背番号123番のジョセフ選手の名前だけでも覚えておいてほしいなと思います。

菊地 お父様がガーナの方なんですよね?

堀口 そうですね。お母様は日本の方で。性格も底抜けに明るいですし、山田遥楓選手が日本ハムにトレードになりましたし、熊代(聖人)選手も引退しました、1軍ベンチの元気印「声出し席」は空いています! ですので楽しみにしたいと思います!

菊地 ありがとうございます。そういう面も含めて新生ライオンズがどんな雰囲気になるのか、すごく楽しみにしたいと思います。堀口さん、ありがとうございました!

堀口 こちらこそありがとうございました。ライオンズ、頑張れ!

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