【補強診断】2球団にA評価判定! 主力の移籍や退団…パ・リーグは勢力図に大きな変化

データスタジアム株式会社

西武からオリックスにFA移籍した森友哉 【写真は共同】

 2022年も年の瀬を迎え、いよいよストーブリーブも大詰めとなってきた。今オフはFAに加え、交換トレードやメジャー挑戦など、実績のある選手も数多く移籍している。さらに、現役ドラフトという新制度の導入もあって、ここ数年でも選手の流動が活発なシーズンオフといえるだろう。今回のコラムでは、このオフの戦力補強を球団ごとに評価していこうと思う。

 なお評価については、A~Dの4段階で行っている。国内移籍は選手の総合的な貢献度を測る指標であるWARをもとに、ドラフト新人や新外国人はチーム状況に対して適切な補強だったかを鑑みて、総合評価とした。また、これら新戦力の詳細や来季の球団展望については、年明けに改めて特集する予定であるため、本コラムとあわせて確認してもらえるとうれしい。

※内容は2022年12月26日時点の情報をもとに執筆

オリックス 評価C

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 2年連続のパ・リーグ制覇を果たしたオリックス。今オフには主砲の吉田正尚がメジャーに活躍の場を移し、伏見寅威はFAで日本ハムに移籍した。日本一に貢献した主力の退団があったものの、攻守の軸となる森友哉をFAで獲得。打撃面では吉田正、守備では伏見の穴を埋められる存在としてフル回転の働きが求められるだろう。外国人選手は大幅な入れ替えを行っており、今のところは新外国人との契約の公式発表はない。今季はリーグ最下位の89本塁打と長打力不足には悩むシーズンだっただけに、森に続く助っ人スラッガーを加えたいところだ。新人では将来の主砲候補である内藤鵬と走攻守の3拍子がそろった杉澤龍が加入。近年のオリックスは紅林弘太郎といった若手の育成にも定評があり、ルーキーたちにも早くから出番は訪れそうだ。

 一方の投手では、ドラフト1位で即戦力左腕の曽谷龍平を獲得。宮城大弥や田嶋大樹、山﨑福也らサウスポーがひしめく先発陣に割って入れるかに注目だ。救援陣は、今季35試合に登板したビドルや張奕が退団するものの、シーズン後半に存在感を示したワゲスパックが残留している。投手陣全体で顔ぶれに大きな変化はなく、若手投手陣のさらなる飛躍を見込んだオフの動きとなった。

ソフトバンク 評価A

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 惜しくもリーグ優勝を逃したソフトバンク。今オフはエース・千賀滉大がメジャーに移籍し、松田宣浩やデスパイネ、グラシアルといった功労者の退団が相次ぐも、それを上回る大型補強を果たしたといっていいだろう。FAでは嶺井博希と近藤健介の2人を獲得した。近藤は柳田悠岐とともに打線の中軸を担うことが藤本博史監督からすでに明言されており、V奪還のキーマンだ。新外国人ではアストゥディーヨとホーキンスの2名が入団。アストゥディーヨはメジャーで遊撃手を除く8つのポジションでプレー経験のあるユーティリティー選手であり、チームの弱点を柔軟に埋めてくれるだろう。そして、ドラフトでは抜群の身体能力を誇る大型遊撃手のイヒネ・イツアを1位で指名した。イヒネは充実したファーム環境でじっくりと育成されることが予想され、頭角を現すのは少し先のことになりそうだ。

 一方の投手陣では、ロッテからオスナが加入。今季29試合で防御率0.91と抜群の安定感を見せた助っ人右腕が、又吉克樹やモイネロとともに強固なリリーフ陣を形成するだろう。先発陣には、NPB通算3年間で防御率2.92をマークしているガンケルを獲得。またドラフト2位の大津亮介も多彩な変化球で狙いを絞らせない投球術が持ち味の右腕だ。来季は森唯斗や藤井皓哉が先発に挑戦する見込みで、エースが抜けても高いレベルのローテーションを構築できる可能性を秘めている。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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