【新戦力分析】“和製ランディ・ジョンソン”ら新人が即戦力となるか? 新助っ人は長打力が魅力の選手がずらり<パ・リーグ編>

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大谷翔平と談笑するエンゼルス在籍時のマキノン 【Photo by Alika Jenner/Getty Images】

 新年を迎え、いよいよキャンプインも迫ってきた。各球団の戦力補強もおおむね完了し、新戦力が出そろいつつある。近年はチームの主戦力となるような外国人選手が減少傾向にあるが、それだけに“当たり助っ人”と呼ばれるような選手を獲得できると大きなアドバンテージとなる。また、ハイレベルな新人王争いが繰り広げられるなど、ルーキーがチームの中心として台頭するケースも珍しくなくなってきた。今回のコラムでは、そんな期待がかかる新戦力選手の特徴を紹介し、チームの今後の展望を占っていきたい。

※内容は2022年1月6日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2023年12月31日時点

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 リーグ2連覇と日本一を達成したオリックス。投手陣は先発、救援ともに充実していることから、ドラフトでは将来性を重視した指名となった。高校からプロの世界に飛び込むのは、齋藤響介と日高暖己の両右腕。近年チームはエースの山本由伸を筆頭に、高卒投手を主戦力まで育て上げることに成功しており、この2人も数年後が楽しみな選手だ。即戦力投手としては、白鴎大の曽谷龍平を1位で指名している。和製ランディ・ジョンソンとも称される投球フォームは、先輩となる田嶋大樹に似たものがある。最速151キロの直球が武器でクロスファイアーを得意とするところなど共通点も多く、田嶋は良きお手本になるはずだ。エースの山本に続いて、宮城大弥や山崎福也らとともに強力な左腕でローテーションを形成することになるだろう。

 対する野手陣は、チーム本塁打数がリーグ最少と長打力不足が課題となっている。主軸の吉田正尚がメジャーに移籍したほか、助っ人野手3選手も退団したが、現時点での新外国人はセデーニョと育成契約を結んだだけにとどまる。セデーニョは昨季マイナーで32本塁打をマークしたスラッガー。今年で25歳と年齢的にも伸びしろがあり、早期に戦力化する可能性を秘めているとはいえ、さらなる長距離打者の獲得が待たれる状況だ。新人野手では、大学4年春の仙台六大学リーグで三冠王に輝いた東北福祉大の杉澤龍が即戦力候補。また、将来の中軸候補としては、日本航空石川高から内藤鵬を獲得した。パワーと柔らかさを兼ね備えた打撃を見せる好素材だ。

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 昨季わずかに届かなかったリーグ優勝をつかむべく、今オフは積極的な補強に動いているソフトバンク。投手では前阪神のガンケルと前ロッテのオスナを補強。エース・千賀滉大のメジャー移籍に伴う投手陣の再編を進めるチームにとって、NPBで実績を残している2人は心強い存在だ。また、ドラフトでは日本製鉄鹿島の大津亮介を2位で指名。多彩な変化球を操る右腕で、会社の先輩にあたる大貫普一(DeNA)に近いタイプの投手だ。近年のチームは故障者に悩まされることが多かっただけに、即戦力ルーキーとして層を厚くする存在は頼もしい。

 野手陣では、ドラフト1位で高校生のイヒネ・イツアを獲得している。抜群の身体能力が持ち味の遊撃手で、3年目から一軍定着を果たした今宮健太のような成長曲線を描いていきたい。外国人では、個性的な新助っ人を加えている。アストゥディーヨはメジャー通算588打席でわずか28三振というミート力の高さが持ち味。守備では捕手を含むほぼ全ポジションを守った経験があるユーティリティーで、選手起用の幅を広げてくれそうだ。もう1人の新助っ人であるホーキンスは右のパワーヒッター。昨季は米独立リーグで48本塁打をマークしている。米独立リーグを経て加入した助っ人といえば、巨人で昨季23本塁打を放ったウォーカーの活躍が記憶に新しい。ホーキンスが彼のようにNPBで実力を発揮し、柳田悠岐やFAで加入した近藤健介とともにクリーンアップを形成することができれば、昨季リーグトップだったチームの得点力がさらに向上するだろう。今オフはすべてのポジションに有力選手を迎えて入れており、3年ぶりのリーグ優勝へ向けて球団の本気度がうかがえる。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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