選手権スターが選ぶ同世代ベストイレブン

選手権スターが選ぶ同世代ベストイレブン【廣末陸編】「航基くんは脅威の存在。大暉と輝綺は鉄壁だった」

安藤隆人
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16年度大会で青森山田高を選手権初優勝へと導いた廣末。現在はJFLのラインメール青森FCで活躍中だ 【安藤隆人】

 冬の風物詩である全国高校サッカー選手権のスター選手が選ぶ同世代のベストイレブン。最終回は、青森山田高の守護神として14年度、15年度、16年度と3大会連続出場を飾り、16年度に優勝を飾った廣末陸だ。1998年生まれの「超攻撃的GK」が選ぶベストイレブンとは?

GKに競り勝つほどの空中戦の強さ

運動量とクロスの質が際立った小田。20、21年はJ2で試合経験を積んだ。今季こそ鹿島で定位置を掴みたい 【写真:アフロスポーツ】

GK 飯田雅浩
(青森山田高→国士舘大・東京ヴェルディ内定/00年10月5日)


 最初は市立船橋の志村滉選手(現・大宮アルディージャ)を選ぼうと思ったのですが、後輩の飯田雅浩を入れたいですね。理由としては、彼は止めてほしいところで止めてくれる。選手権で優勝したときもPK戦では落ち着き払っていたし、決勝でもビッグセーブをするなど、要所で実力をきちんと発揮して流れを変えられるGKですよね。僕はそういうチーム全体に良い影響を与えられるようなGKが好きなので、ここは後輩を選びました。

DF 小田逸稀
(東福岡高→鹿島アントラーズなど/98年7月16日)


 右サイドバックは青森山田のチームメイトで、いわきFCで活躍した嵯峨理久を入れたいなと思っていたのですが、インパクトで小田逸稀を選びました。小田は対人がめちゃくちゃ強くて、正確なクロスをどんどん供給するイメージがあります。

 高3の選手権の準々決勝で僕らの前の試合が東福岡vs東海大仰星だったんです。それで試合途中まで見ていたのですが、小田の運動量とクロスの質と競り合いの強さがかなり目立ちました。その試合で東福岡が負けてしまったので対戦はしなかったのですが、かなりインパクトは残りましたね。

DF 菊池流帆
(青森山田高→大阪体育大→ヴィッセル神戸など/96年12月9日)


 右センターバックは青森山田の2学年上の先輩である菊池流帆さんを選びました。流帆さんはこれまで僕が見てきた選手の中で一番競り合いが強いと思います。高校のときから空中戦の強さは凄まじくて、今でもはっきりと覚えているのがプレミアEASTのアウェイ・東京ヴェルディユース戦。GKに競り勝って、バーの上の位置から普通にヘディングを叩きつけていましたから。

 それに僕は流帆さんがどういう経緯でトップチームに這い上がっていったかを知っているので、尊敬の念もかなりありました。特別な武器を持っていたし、レノファ山口でも一緒にプレーした縁もあって流帆さんを選出しました。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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