高校サッカー選手権・8強ランキング

記事

 第101回全国高校サッカー選手権は1月2日に3回戦が行われ、ベスト8の顔ぶれが決まった。そこで、開幕前にお届けした『出場校ランキング』をアップデート。今大会のここまでの戦いぶりを加味して、勝ち上がった8校の評価を見直した。「得点力」「守備力」「選手層」「経験値」「完成度」という5項目について各20点満点で改めて採点し、それをもとに導き出した8強版のランキングだ。
(著者:松尾祐希、企画・編集:YOJI-GEN)

※項目は横にスクロールします。

${item.title}

スポーツナビアプリ 無料ダウンロード

スポーツナビアプリ
全ランキング見るならスポーツナビアプリ(無料)
iPhone版ダウンロードボタン Android版ダウンロードボタン
QRコード
対応OS
iOS 15.0以上
Android 8.0以上
  • アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
  • Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
  • iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
  • iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。

解説

インターハイ王者・前橋育英は順当にベスト8入り。昌平戦では攻→守の切り替えの速さが際立ち、大会屈指のタレント軍団に3本のシュートしか許さなかった。守備力の評価は開幕前の「17」から「18」に【写真は共同】

 全国47都道府県の48代表が覇権を争う真冬のビッグトーナメントも、前半戦が終わった。8強の顔触れを見てみると、優勝候補の一角だった履正社(大阪)が3回戦でPK負けを喫した以外はほぼ順当な結果となっている。

 大会前のランキングで1位とした前橋育英は、最激戦区のDブロックを勝ち上がってきた。山場だったのが、優勝候補同士の大一番を2-1で制した昌平(埼玉)との3回戦だ。

 開始早々に昌平に先制点を許したものの、終始優勢に試合を展開。FW高足善、MF小池直矢(ともに3年)ら攻撃陣の活躍も目立つなかで、なにより素晴らしかったのはディフェンスだ。1、2回戦に続いて失点こそ喫したが、強度の高い守備と素早い攻守の切り替えで相手を圧倒。テクニカルなスタイルが武器の昌平に対してほとんどボールを握らせず、注目アタッカー・荒井悠汰(3年/FC東京入団内定)にも組織的な守りで対応して、自分たちのミスも絡んで先制ゴールを奪われた以外は決定的な仕事をほとんどさせなかった。

 チームはU-18日本代表のMF徳永涼(3年)を中心にまとまっており、簡単には崩れない雰囲気を漂わせている。

 その前橋育英と準々決勝で当たる昨年度の準優勝チーム・大津は、浜松開誠館(静岡)との初戦で苦戦。土壇場で追いついてなんとかPK戦で勝利を拾ったものの、決定力に課題を残した。

 しかし、続く日本文理(新潟)との3回戦では見違えるようなパフォーマンスで3得点を奪い快勝。「小林(俊瑛)は得点を取りたいという思いが強くてバランスを崩していた。この1点で吹っ切れてくれればいい」と山城朋大監督が話した通り、エースでキャプテンの小林(3年)にもゴールが生まれて弾みがついた。昨年と同じく準々決勝で前橋育英と対戦するが、攻撃陣の出来次第では勝利を掴む可能性は決して小さくない。

 Aブロックは、昨年度の王者・青森山田と初優勝を狙う神村学園の顔合わせとなった。

 2回戦からの登場となった青森山田は苦しみながら準々決勝に進出した。広島皆実戦は1-0、続く国見戦はPK戦での勝利。それでも、伝統の粘り強い守備とセットプレーの強さは示している。とりわけ、CB三橋春希(3年)が攻守にわたって活躍。最終ラインで相手を弾き返し、攻撃では2試合連続でリスタートからゴールを決めた。堅守と1点を取り切る力は、一発勝負を制する上で重要な要素になるはずだ。

 一方の神村学園は有村圭一郎監督が体調不良でベンチ入りできていないが、FW福田師王(3年/ボルシアMG入団内定)とMF大迫塁(3年/C大阪入団内定)を中心に接戦を制してきた。シーソーゲームとなった初戦は山梨学院(山梨)を3-2で下し、3回戦は日大藤沢(神奈川)に先制点を許しながらPK戦で勝利。「今年は逆転できるチーム」と大会前に指揮官が話していた通り、逆境を跳ね返す力を見せつけて8強入りを決めた。

 例年、勝負弱さを露呈してきた神村学園だが、今季は最後まで走りきる心身のタフさを備えており、青森山田に対してどのようなゲームを見せるか注目したい。

3試合で8得点・1失点という数字が示すように、東山は攻守とも高水準。昨年度は辿り着けなかった国立の舞台は目の前だ【写真は共同】

 履正社が姿を消したBブロックは、佐野日大と岡山学芸館の対戦となった。

 下馬評は高くなかった佐野日大だが、最後に出場した2016年度大会同様に堅守速攻をベースに相手のストロングポイントを消す戦い方で台風の目になりつつある。3回戦では履正社に対し、シュート1本で1点を奪ってPK戦で勝利。自分たちの強みを最大限に発揮できれば、4強入りした6年前の再現は十分あり得る。

 対する岡山学芸館は1、2回戦をともに1点差で制し、3回戦ではPK戦をモノにして初の8強入りを決めた。2回戦ではエースストライカーのFW今井拓人(3年)、10番のMF山田蒼(3年)がゴールを挙げるなど、中心選手に結果が出ているのは心強い。

 いずれも勝負強さを発揮して勝ち上がってきた両チームの対決も、見どころ満載だ。

 Cブロックは、MF阪田澪哉(3年/C大阪入団内定)が注目を集める東山が順当に準々決勝に進出。昨季からレギュラーを務めるMF真田蓮司(3年)が2戦連続でゴールを挙げれば、1回戦ではFW豊嶋蓮央(3年)が2得点。日替わりでヒーローが生まれているのは好材料で、期待値の高い世代は勢いに乗っている。初の4強、そして日本一にチャレンジするだけの実力は備わっているはずだ。

 その東山と準々決勝で対戦する日体大柏は、初出場ながら安定した試合運びで快進撃を続けている。攻撃陣が好調で、6ゴールを5人で決めており、3回戦でエースのFWオウイエ・ウイリアム(3年/柏入団内定)に大会初ゴールが生まれたのも頼もしい。優勝候補の一角を崩し、初出場で国立の舞台にたどり着けるか注目だ。

 果たしてどのチームが“国立行き”を勝ち取るのか、そして日本一の座に上り詰めるのは……。

関連リンク