神村学園・大迫塁、自信を持って最後の選手権へ 「日本一の夢を絶対に叶えて笑顔で終わりたい」

松尾祐希
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高校最後の大舞台を前に、現在の心境や過去2回の選手権、この1年間の歩みなどについて話をしてくれた大迫。今は「楽しみという気持ちしかない」という 【松尾祐希】

 小学生の頃から地元では“天才サッカー少年”として有名で、神村学園の中等部に進学してからも同世代のトップクラス選手が集まるナショナルトレセンやエリートプログラムに選抜された。中学3年の時にはU-15日本代表にも選出。高等部でも1年生からチームのエースナンバーである背番号14を託された。正確な左足のキック、展開力、強烈なミドルシュートは、今回の全国高校サッカー選手権大会に出場する選手の中でも屈指のレベル。すでにセレッソ大阪への入団が内定しているが、3年生になった今季は守備面でも成長の跡が見られ、攻守にわたって圧倒的な存在感を示している。

 しかし、まだ目に見える結果は残していない。選手権は1年生の時がベスト16、2年生では初戦敗退。悔しさを噛み締め、何度も涙に暮れてきた。まだ勝ち取っていない日本一のタイトル――。注目のレフティ・大迫塁に高校最後の大舞台への想いを聞いた。
※インタビューは12月20日に実施。

1年生の時に選手権を嫌いになった

――高校最後の大会を迎えます。中等部を含めると6年間、神村学園のグラウンドで汗を流しました。あと1、2回ぐらいしか練習はないし、寂しさもあるのでは?

 寂しい想いはありますね。でも、気持ちは選手権や次のステージに向かっています。

――感慨深さよりも、すでに先を見据えていると?

 そうですね。

――大会に向けてプレッシャーよりもワクワク感のほうが強そうですね。

 プレッシャーはないし、ワクワクしてますね。早くプレーしたい。明日開幕してもいいくらいです(笑)。

――開幕前の気持ちは、2年生までの選手権とは違いますか?

 違いますね。1年生の時は憧れていた選手権の舞台だったので早く試合がしたかったけど、2年生の時は1年生の時に選手権を嫌いになって(良い感情ではないまま)開幕を迎えました。2年生の選手権は初戦で負けてしまったけど、次につながる経験ができたので(嫌な気持ちは)払拭されたんです。3年生になって迎える今大会は楽しみな気持ちしかないですね。

――1年生の時に選手権を嫌いになってしまったんですね。

 負けた(3回戦)のはもちろん、自分の持ち味を出せなかったし、選手権独特の雰囲気や空気感に慣れるのが難しくて上手くいかなかった。何も出しきれなかった悔しさがあって、選手権を嫌いになってしまいましたね。

――嫌いになったのは、自分が期待していた姿からはかけ離れていたことも理由ですか?

 そうですね。思い描いていた選手権ではなかった。でも、2年生の時は負けた悔しさもあったけど、ゴール前でのチャンスメイクや決定機にかかわる回数が増えた実感があったんです。ゴールに直接かかわる回数が増えればさらによかったけど、「自分としては何もできなかった」という感じではなくて、嫌なイメージは払拭されましたね。でも、チームとしては反省が残りました。上手い選手がたくさんいたけど、組織の面では弱さがあったんです。それは最後の選手権に挑むにあたり、良い教訓になっていますね。
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著者プロフィール

1987年、福岡県生まれ。幼稚園から中学までサッカー部に所属。その後、高校サッカーの名門東福岡高校へ進学するも、高校時代は書道部に在籍する。大学時代はADとしてラジオ局のアルバイトに勤しむ。卒業後はサッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフ千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

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