連載:あのJリーガーはいま

大分市議会議員として2度の当選 ‟ミスター・トリニータ”高松大樹のいま

栗原正夫
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「大分に恩返しがしたい」とサッカー選手から政治家へ、華麗なる転身を果たした高松 【栗原正夫】

 待ち合わせ場所の大分市役所の議会棟に行くと、応接室に通された。そこに姿を見せたのは、かつて大分トリニータでプレーし、2017年から大分市の市議会議員を務めている高松大樹(41歳)だ。

 高松はプロ生活17年のうち16年を大分で過ごすなど、大分サポーターから‟ミスター・トリニータ”と呼ばれたレジェンドである。16年限りで引退し17年2月の大分市議会選挙に無所属で出馬すると、トップ当選を果たし現在大分市議会議員として2期目を迎えている。
 現役時代は日本代表でも2試合でプレーしたほか、08年にトリニータがナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で初タイトルを獲得した際に決勝でMVPに輝くなど、長くクラブの顔として活躍した。だが、当時はその注目度とは対照的に、メディアや人前に出ることを避けているように見えただけに、引退後に議員として活動しながら地元ケーブルテレビで大分トリニータの応援番組のMCや試合の解説を務めているというから驚く。

「いまはしゃべるのが仕事ですし、メディアにも出させていただいていますが、若い頃は面倒くさかったというか。広報にインタビューの対応を頼まれても『今日はダメ』と断ってしまったこともよくありました。いまになればメディア対応の大切さはわかります。ただ、当時サッカーは個人競技ではないのに、地方クラブのトリニータから僕が1人だけ五輪代表に選ばれていたことで、インタビューなどがすべて回ってきてしまったんです。そんななかで『なんでオレ? ほかの選手もいるじゃん』と思ったり、とんがっていましたね(笑)」

 そんな高松はなぜ、セカンドキャリアに“市議”という道を選んだのか。
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著者プロフィール

1974年生まれ。大学卒業後、映像、ITメディアでスポーツにかかわり、フリーランスに。サッカーほか、国内外問わずスポーツ関連のインタビューやレポート記事を週刊誌、スポーツ誌、WEBなどに寄稿。サッカーW杯は98年から、欧州選手権は2000年から、夏季五輪は04年から、すべて現地観戦、取材。これまでに約60カ国を取材で訪問している

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