連載:あのJリーガーはいま

銀座のカラオケバーと東京都4部リーグ “ロンドン世代”ガーヒーこと比嘉祐介のいま

栗原正夫
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19年7月より「GINZA GA-HI-BAR」で店長を務める比嘉 【栗原正夫】

 東京都中央区銀座の一等地「銀座並木通り」沿いのビルの7Fに、その店はある。

「GINZA GA-HI-BAR」

 名前を見ればピンとくる方も多いだろう。店を切り盛りするのは元サッカー選手、Jリーグの横浜F・マリノス(以下横浜FM)などでプレーした比嘉祐介(33歳)だ。18年に東京ヴェルディに所属したのを最後に29歳で引退。19年7月に同店をオープンさせた。

 昨今は、起業する者や農業に従事する者など、サッカー選手のセカンドキャリアも多様化しているが、銀座でバーの店長をしている人は珍しい。

29歳で引退。銀座の一等地でバー店長に

バーのエントランスにて撮影 【栗原正夫】

 沖縄県名護市出身の比嘉は、中学卒業後に流通経済大柏高(千葉)に越境入学すると、そのまま流通経済大へ進学。アマチュアサッカー界の名門校を渡り歩き、学生時代から世代別代表にも名を連ねるなど注目を集めた。11年には大学生ながらロンドン五輪出場をかけたアジア最終予選の全6試合中5試合に先発。本大会こそメンバー入りを逃したが、明るいキャラクターとフィジカルの強さを生かした攻撃的なプレーを売りに、大学卒業時には横浜FMに鳴り物入りで入団した。

 そんなキャリアを思えば、29歳での引退は少し早かったように映るが、プロ最終年となった18年はケガの影響もあってリーグ戦(J2)の出場はなく、天皇杯1試合に出場しただけだった。

「カテゴリーを下げれば(現役を)続けられたかもしれないですが、家族もいたし、プロにしがみつくよりは早くセカンドキャリアに進んだ方がいいかなって。意外とあっさりしていました」

 比嘉は、引退時の心境をそう明かした。

 陽気な性格もあって現役時代からサッカー以外の分野の人とも積極的に交流してきた。そのことが、セカンドキャリアに進むうえで助けになった。
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著者プロフィール

1974年生まれ。大学卒業後、映像、ITメディアでスポーツにかかわり、フリーランスに。サッカーほか、国内外問わずスポーツ関連のインタビューやレポート記事を週刊誌、スポーツ誌、WEBなどに寄稿。サッカーW杯は98年から、欧州選手権は2000年から、夏季五輪は04年から、すべて現地観戦、取材。これまでに約60カ国を取材で訪問している

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