新指揮官、新司令塔でアルバルク東京はどう変わる? ホーム開幕戦から見えたもの
A東京の新戦力ジャスティン・コブス 【©B.LEAGUE】
アリーナと指揮官が変わったA東京
「家」も変わっている。A東京は過去5季にわたって立川立飛アリーナをホームアリーナにしていた。また2025年秋のオープンを目指して、トヨタグループは東京のお台場に“夢のアリーナ”の建設計画も進んでいる。今シーズンから3季にわたる暫定的なホームとなるのが国立代々木競技場第一体育館。原宿駅や明治神宮前駅、渋谷駅から徒歩圏内の一等地にあり、B1クラブのホームとしては最大規模でもある。
代々木第一開催は満員に
A東京の新ホーム代々木第一体育館 【©B.LEAGUE】
78-66でライバルを下した後、ヒーローインタビューに登場したキャプテンの田中大貴は、ファンにこんな断りを入れていた。
「すみません、ちょっと声が枯れてますけど」
コロナ禍で声出し応援が認められていないとはいえ、代々木第一は立川立飛アリーナに比べて3倍以上のキャパシティーがある会場だ。今まで以上の声量を出さないと、コート内のコミュニケーションが難しくなっているのだろう。シーズンが終わる頃には選手の“喉”も鍛えられているに違いない。
「チケットが取れない」
「色んな印象はありますけれど、こういう(大きな)体育館で、チケットが取れない。色んな友達から『チケットが取れないよ』とメッセージが来ていて、それは前にない問題だった」
新しいアリーナで新しいファンに定着してもらうプロセスは容易でなく、A東京にとってホーム移転のチャレンジはまだ始まったばかり。とはいえホーム開幕戦の来場者数、雰囲気は今後に向けてポジティブな要素だったはずだ。
A東京は開幕後の4戦を2勝2敗で終えている。バスケット的な変化は手がついたばかりだが、千葉J戦から方向性が浮かび上がってきていた。
相手へ応じたスタイルに
「(A東京は)彼がやっていたネプトゥーナスと非常に似ています。ハーフコートですごいフィジカルにやってくる。チャンピオンズリーグで当たっているけれど、全く同じことをやっていた。リバウンドがキーポイントと試合前に言っていたけれど、デイニアス(アドマイティスHC)のチームにはリバウンドで負けたら大体試合も負ける。そこは変わっていません」
田中は昨季からの変化について、会見でこう説明している。
「相手の嫌がるようにこちらが攻めたり、相手がやって来ることに対してやり方を変えたりするのは、ルカのバスケであまりなかったこと。相手によってどうするかという、柔軟な対応になってきている」