関係者が「ざわつく」県リーグからの全国16強 レノファ山口U-18はどう強化している?
レノファ山口U-18はクラブユースの全国大会でベスト16入りを果たした 【@orange_sakana】
ベスト16のうち11チームが「プレミア」
今大会の出場32チームがすべてJクラブのアカデミーで、その内訳を見ると「プレミア」が14、「プリンス」が14となっている。県リーグからの出場は湘南ベルマーレ、レノファ山口、ジェフユナイテッド千葉、ロアッソ熊本の4チームのみ。
そしてベスト16に限れば11チームが「プレミア」だ。県リーグから唯一ベスト16に勝ち残ったのが、レノファ山口だった。
グループステージを1位で突破
レノファの出場は4年ぶり2度目だった。2018年夏は0勝3敗、1得点7失点で大会を去った。同チームは過去に高1でトップ出場を果たした河野孝汰のような人材を輩出している。とはいえ全国大会の実績はほぼ皆無なチームがプレミア、プリンスと五分に渡り合っていて、それは今大会における最大のサプライズだった。
「プロになるという大きな目的のために」
小林監督はこう口にする。
「ベスト16を見れば、他はもうビッグクラブ、J1クラブです。県リーグがここまで上がってきたことで、少しざわつくのではないかと思いますね」
就任後半年の取り組みについてはこう振り返る。
「クラブのプレーモデル、レノファが目指しているサッカーはあります。ただプロになるためにはどういったものが必要かという大前提を考えたとき、もう少し運動量、モビリティを上げなければいけません。自分たちで工夫しながら色々なアイディアを出して、ピッチの中で展開を変えていけるような選手が必要です。僕個人の考えですけれど、ユースで学ぶべきところは、もう少しモビリティを効かせるところ、アイディアを発揮すること、そして人との絡みですね。プロになるという大きな目的のためには身体を張るとか、しっかり戦うとか、メンタル的なことも含めて、『やらせるべきことはやらせた』だけの話です」
レノファU-18の強みは?
監督にチームの強みを尋ねると、このような答えが返ってきた。
「僕自身『これだ』というものはないんです。例えば関東に比べると、レベルもそうですし、雰囲気がのんびりしています。寮生なので一丸となれるところはありますが、あとは技術的にもフィジカル的にも……。見ても分かるように小さな選手ばかりですから」
コンセプト、戦術といった“形”を強調するチームもある中で、小林監督はディテールへのアプローチが多い。
「僕はマリノスが大分長くて、トップチームでもやっていました。そういったところで『プロになるため(に必要なプロセス)』とか『勝負どころ』といった経験値を年の功で持ってる方だと思います。そこを上手く選手に伝えながら、できるだけ選手が一番力を出せるような状況をまずソフト面で作ることにトライしています」