みんなで考えるプロ野球前半戦総括&後半戦展望

鳥谷敬の「セ・リーグ○×予想」答え合わせ 注目の主軸打者の今季を独自の視点で分析

大利実

2022年のプロ野球前半戦が終わったところで、鳥谷氏に注目選手の活躍について分析してもらった 【(c)株式会社パムズ】

 オープン戦たけなわの今年3月初旬、今年から野球解説者として第二の人生のスタートを切ったばかりの鳥谷敬氏に、スポーツナビが直球質問をぶつけた。球団ごとに用意したファンが気になるトピックに、○か×で答えなければならないというものだった。2022年のプロ野球前半戦が終了し、鳥谷氏の予想は如何に? 鳥谷氏に開幕前のご自身の回答を振り返ってもらった。

100打点が4番としての合格ライン

本拠地が甲子園だとどうしても本塁打数は不利になるという 【写真は共同】

阪神:佐藤輝明が本塁打王を獲得する
3月の鳥谷氏の予想「×」

3月時点での鳥谷氏の見解
「残念ながら「×」です。岡本和真選手、村上宗隆選手の打力を考えると、彼らを上回るほどのホームランを打てるかとなると、まだ難しいかな。それに、風のある甲子園球場はなかなかホームランが出にくい。そのあたりも、タイトル獲得の壁になる気がします」

佐藤輝明7月20日時点での打撃成績
打率.2732(16位) 本塁打15(7位) 打点54(5位)

――7月22日現在、15本塁打の佐藤輝明選手。トップを独走する村上宗隆選手(ヤクルト)とは15本以上の差が付いています。

 佐藤選手の実力というよりは、ホームランに関しては、球場による有利不利がかなりあります。神宮球場を本拠地にする村上選手、東京ドームを本拠地にする岡本和真選手(巨人)と比較したときには、どうしても分が悪くなります。左中間・右中間が広く、さらに浜風もある甲子園球場でホームランを打つのは、かなり難しいことです。そのあたりを考慮して、「×」としたわけですが、前半戦を見る限りはそういう展開になっています。

――もし、佐藤選手がホームランの出やすい球場を本拠地にしていたら、また数字は変わってきますか。

 本拠地で戦うのは、年間通して70試合ほどありますから。当然、ホームラン数に影響は出てくるはずです。

――佐藤選手の15本という数字は、2年目としてどう評価していますか。

 四番を打っていることを考えると、チームが求めているのは打点だと思います。ソロホームランよりは、ここ一番のチャンスでのタイムリー。ホームランが少なくなるのは仕方ないところなので、その分、打点が評価の対象になってきます。

――合格ラインは90打点ぐらいでしょうか。

 いえ、100打点ですね。四番ですから。しかも、タイガースの場合は、その前を打つ中野拓夢選手や近本光司選手は足が速く、出塁率も高い。佐藤選手が100打点をマークできれば、CS進出も見えてくるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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