横浜・渡辺元監督が選ぶ!甲子園のスター5選 「あれほど観客を魅了できる選手はいない」
江川卓を「本当の怪物」と表現する渡辺元監督。当時、江川対策として試みていた練習方法を明かしてくれた 【写真は共同】
「あの二人が一緒にいたというのが奇跡」
渡辺 やはり“昭和の怪物”江川投手でしょう。秋の関東大会決勝で対戦しましたが、三振を16個も取られて4安打完封負け、手も足も出なかったですね。打者の胸元に浮き上がってくる剛速球は衝撃的で当時のプロ野球選手でもおそらく打てなかったと思います。“昭和の怪物”と言われるにふさわしい本当の怪物。
その後、選抜出場が決まり、江川投手を攻略しなければ全国優勝することが難しいということで、いろんな練習をしました。18.44メートル(投本間)の半分ぐらいのところに畳を何枚も重ねて、そこからバッティング投手に投げさせたりね。
春の選抜(1973年)では、準決勝の第一試合が作新学院対広島商。第二試合の私たちは、その試合を間近で見ていましたが、江川投手は調子が悪く四球が多かった。しかしストレートはケタ違いに速く、当時スピードガンはないにしても優に150キロは超えていたと思います。
しかしながら、広島商にポテンヒットとキャッチャーの悪送球で決勝点を取られ、わずか2安打に抑えていたにもかかわらず甲子園を去っていきました。うちは次の試合で鳴門工に勝ち、決勝ではその広島商に勝って優勝。結局、江川投手と対戦することはありませんでしたが、甲子園でいろんなピッチャーを見てきた中でも、やはり怪物でした。
前田 江川投手ね。僕が監督になりたての頃だったのですが、どれだけすごいピッチャーなのかを見たくて、栃木まで(氏家戦)見に行きました。もうすごい人でね、せっかく遠くから見に来ているのに、チケットがなくて入れなくて、脇からよじ登って入って、ベンチの上に新聞紙を敷いてそこから見ましたよ(笑)。帝京の監督と言ったって、誰も僕のことなんて知らないから。
渡辺 誰かが前田さんを球場で見たと言ってたな(笑)。
前田 あはは!(笑)
渡辺 うちは選抜大会後の春の関東大会決勝で作新学院と対戦。その試合、江川投手は途中から出てきましたが、やはり勝てませんでしたね。
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