連載:22年J1・J2「補強・戦力」を徹底分析!

好補強の浦和と湘南…鹿島も及第点の補強 J1リーグ全18クラブの補強診断【前編】

YOJI-GEN

川崎Fのリーグ3連覇のカギを握るチャナティップ。ウイングか、インサイドハーフか、最適解は果たしてどこか 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 シーズン開幕直前の風物詩である富士フイルムスーパーカップが2月12日に行われ、浦和レッズが川崎フロンターレに2-0と勝利。いよいよ18日の開幕を待つばかりだ。そこでJ1全チームのストーブリーグを総括する。前編では北海道コンサドーレ札幌から清水エスパルスまで、北から9チームの補強を読み解く。後編の最後にはランキングの一覧も掲載しているので、そちらも参考にしてもらいたい。
※情報は2月14日時点
※【IN】のチームのカテゴリーは21年シーズンのもの
※戦力はJ1戦力ランキングのコラムとリンクしています

鈴木優磨が復帰した鹿島の前線は強力

〈北海道コンサドーレ札幌〉
補強診断:D/戦力ランキング:76(9位)
昨シーズン:10位
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ(5年目)


 退団選手は39歳のジェイ・ボスロイドと、チャナティップのみ。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のスタイルを知り尽くした選手たちによる継続性を重視した格好だ。他クラブから声がかかっていた小柏剛、金子拓郎が残留したのも大きい。

 1月11日に移籍が決まったエースの穴は、ガブリエル・シャビエルを18日に獲得して、即座に埋めた。ジェイの後釜としては、過去にもオファーを出している興梠慎三の獲得に漕ぎ着けた。浦和で指揮官と4年半プレーしたストライカーの加入は心強いが、一方で、今年36歳を迎えるストライカーは昨季、リーグ戦20試合1得点にとどまっており、フル稼働できるのか疑問符もつく。

 加えて、選手の入れ替えを最小限に抑えたことが、どちらに転ぶのかも分からない。成熟の方向に進むといいが、マンネリ化の方向に進んでしまうと、順位を大きく下げることになるかもしれない。

【IN】
FW 興梠慎三 ←浦和(J1)
FW ガブリエル・シャビエル ←名古屋(J1)
FW 藤村怜 ←山形(J2)
MF 檀崎竜孔 ←千葉(J2)
MF 田中宏武 ←立正大(新人)
MF 井川空 ←筑波大(新人)
DF 西大伍 ←浦和(J1)

【OUT】
FW ジェイ・ボスロイド →未定
MF チャナティップ →川崎(J1)
〈鹿島アントラーズ〉
補強診断:C/戦力ランキング:80(4位)
昨シーズン:4位
監督:レネ・ヴァイラー(新任)


 クラブ創設以来、日本人とブラジル人が務めてきた指揮官の座に、初めてスイス人のレネ・ヴァイラー監督を据えたのは、変革への覚悟の表れ。新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化のため、依然として入国できていないが、岩政大樹コーチを中心にチームは新シーズンへの準備を進めている。

 注目すべきは2年半ぶりの復帰となる鈴木優磨だ。シント=トロイデンで20-21シーズンに17ゴールをマークしたストライカーは、すごみを増して帰ってきた。鈴木、上田綺世、エヴェラウド、染野唯月が揃う前線は、リーグ屈指の陣容と言っていい。

 一方、犬飼智也、町田浩樹、永戸勝也が移籍した最終ラインは、キム・ミンテを獲得し、期限付き移籍で経験を積ませた小田逸稀を復帰させたものの、心許ない。樋口雄太や中村亮太朗、名古新太郎のボランチ起用に目処が立てば、三竿健斗のセンターバック起用もあるかもしれない。

【IN】
FW 鈴木優磨 ←シント=トロイデン(ベルギー)
MF 仲間隼斗 ←柏(J1)
MF 名古新太郎 ←湘南(J1)
MF 樋口雄太 ←鳥栖(J1)
MF 中村亮太朗 ←甲府(J2)
DF キム・ミンテ ←名古屋(J1)
DF 小田逸稀 ←千葉(J2)
DF 溝口修平 ←鹿島ユース(新人)

【OUT】
MF 永木亮太 →湘南(J1)
MF レオ・シルバ →名古屋(J1)
MF 遠藤康 →仙台(J2)
MF 須藤直輝 →金沢(J2)
DF 町田浩樹 →ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)
DF 犬飼智也 →浦和(J1)
DF 永戸勝也 →横浜FM(J1)
 

浦和はスタイルに合った選手を的確補強

徳島時代にリカルド・ロドリゲス監督と4年間プレーした岩尾(左)は、浦和にとって心強い存在となるはずだ 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

〈浦和レッドダイヤモンズ〉
補強診断:B/戦力ランキング:86(3位)
昨シーズン:6位
監督:リカルド・ロドリゲス(2年目)


 リカルド・ロドリゲス監督をして「私のサッカーのアイデアのすべてを持っている」と言わしめる岩尾憲に始まり、犬飼智也、馬渡和彰、松崎快ら指揮官のスタイルに合う選手を獲得し、強化部の“見る目”の確かさを感じさせる。

 引退した阿部勇樹だけでなく、槙野智章、興梠慎三、宇賀神友弥らこれまでチームを背負ってきたベテラン選手が軒並みチームを離れたが、改革には痛みが付きもの。指揮官のスタイル完成に向け、相当な覚悟が感じられる。

 ただし、本職のセンターフォワードはキャスパー・ユンカーと、高卒ルーキーの木原励のみ。中盤が本職の江坂任や明本考浩、松崎らを前線で起用し、ゼロトップを視野に入れているのかもしれないが、前線の迫力不足は否めない。スウェーデン代表のダヴィド・モーベルグに加え、もうひとり攻撃陣に助っ人を獲得できれば、優勝を狙える陣容になるのだが。

【IN】
FW 木原励 ←京都橘高(新人)
MF ダヴィド・モーベルグ ←スパルタ・プラハ(チェコ)
MF 松尾佑介 ←横浜FC(J1)
MF 岩尾憲 ←徳島(J1)
MF 松崎快 ←水戸(J2)
MF 安居海渡 ←流通経済大(新人)
DF 犬飼智也 ←鹿島(J1)
DF 大畑歩夢 ←鳥栖(J1)
DF 馬渡和彰 ←大宮(J2)
DF 知念哲矢 ←琉球(J2)
DF 宮本優太 ←流通経済大(新人)
GK 牲川歩見 ←水戸(J2)

【OUT】
FW 興梠慎三 →札幌(J1)
FW 木下康介 →水戸(J2)
MF 金子大毅 →京都(J1)
MF 汰木康也 →神戸(J1)
MF 田中達也 →福岡(J1)
MF 宇賀神友弥 →岐阜(J3)
MF 阿部勇樹 →引退
DF 西大伍 →札幌(J1)
DF 山中亮輔 →C大阪(J1)
DF 槙野智章 →神戸(J1)
DF トーマス・デン →新潟(J2)
DF 福島竜弥 →相模原(J3)
GK 塩田仁史 →引退
〈柏レイソル〉
補強診断:D/戦力ランキング:68(17位)
昨シーズン:15位
監督:ネルシーニョ(4年目)


 クリスティアーノを筆頭に、瀬川祐輔、神谷優太と攻撃陣の主力流出が目立つ。代わってJリーグでの実績十分のドウグラス、鳥栖で復活を印象付けた小屋松知哉、オールラウンドの能力が魅力の中村慶太を獲得したものの、収支はマイナスの印象だ。

 ボランチから後ろのポジションではレギュラークラスの移籍はなかったが、彼らを脅かすような選手を獲得することもなかった。昨季はリーグワースト3位となる56失点を喫しているためテコ入れ必至と思われたが、原因は守備陣にあるわけではないという判断なのかもしれない。

 今季も残留争いに巻き込まれないためには、ドウグラスの活躍に懸かっている。昨季は負傷に苦しんだものの、2月11日の「ちばぎんカップ」でさっそく決勝ゴールをマークした。新エースを最大限に生かすことに主眼を置いて、前線の顔ぶれを定めたい。

【IN】
FW ドウグラス ←神戸(J1)
FW 森海渡 ←筑波大(新人)
FW 真家英嵩 ←柏U-18(新人)
FW 升掛友護 ←柏U-18(新人)
MF 中村慶太 ←清水(J1)
MF 小屋松知哉 ←鳥栖(J1)
MF 加藤匠人 ←筑波大(新人)
MF 土屋巧 ←日本体育大柏高(新人)
DF 岩下航 ←熊本(J3)
DF 田中隼人 ←柏U-18(新人)
GK 猿田遥己 ←横浜FC(J1)

【OUT】
FW クリスティアーノ →長崎(J2)
FW 瀬川祐輔 →湘南(J1)
FW 神谷優太 →清水(J1)
MF ヒシャルジソン →セアラー(ブラジル)
MF 仲間隼斗 →鹿島(J1)
MF イッペイ・シノヅカ →新潟(J2)
DF 山下達也 →C大阪(J1)
DF 高橋峻希 →長崎(J2)
GK 滝本晴彦 →今治(J3)

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