2022シーズンJリーグ戦力ランキング 2位、3位と王者・川崎の差は大きくない
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マスカット監督を悩ませる強力なスカッド
総合トップはやはり川崎F。3連覇を目指す王者には穴らしい穴がない。強いていえば、選手層にやや不安があるくらいか 【(C)J.LEAGUE】
93ポイントでトップの川崎Fは攻撃面を注目されがちだが、高い位置での即時奪回を含めた守備面もハイレベルで、穴らしい穴がない。田中碧、三笘薫に続いて旗手怜央も移籍したことで、確かに個のスペシャリティは過去2年より少し落ちたかもしれない。それでも4-3-3をベースとしたパスワーク、ハイプレス、状況に応じたリトリートなど、組織としての練度が上がったことでそのマイナス分はカバーされている。
強いて不安要素を挙げるなら、選手層の部分。強烈な交代カードを次々と繰り出せるほどのベンチパワーはないように見えるし、過密日程でターンオーバーした時にパフォーマンスを維持できるかどうかも気になるところだ。しかし、チーム内のハイレベルな競争がある中で、新陳代謝により良い意味で予想を覆してきた。今季もまた、大卒ルーキーや2年目の選手からチーム力を引き上げるプラス材料が出てくるかもしれない。
額面通りなら川崎Fの3連覇が濃厚だろうが、ライバルから標的にされやすいことを考えると、少なくとも横浜FMと浦和には逆転可能な差だと見ている。
横浜FMは攻撃力を満点の「20」にしたが、セルティックに移籍した前田大然の23得点をどう埋めていくかはポイントだ。ベガルタ仙台から西村拓真を獲得したことに加えて、昨季、北海道コンサドーレ札幌で昨季の前半戦だけで12得点を記録したアンデルソン・ロペスも手に入れた。ケヴィン・マスカット監督がベンチ入りメンバーすら決めるのが悩ましいと想定できる、強力なスカッドが整った。
特長は縦のスピード。前田がいなくなっても加速力のあるアタッカーが揃っており、中盤やサイドバックからのパス供給力も高い。センターバックのチアゴ・マルチンスがニューヨーク・シティに移籍したため、守備力は割り引かないといけないが、サガン鳥栖から獲得したエドゥアルドは良質なフィードが武器で、ケガによる長期離脱から復帰する畠中槙之輔とともに後方の“発射台”として攻撃力をアップさせる存在になりそうだ。
2年目の大迫と武藤に上積みが見込める神戸
神戸にとっては、大迫と武藤(写真)が開幕からシーズンに臨めるのが大きい。両選手とも昨季からの上積みが期待でき、攻撃力はリーグトップレベルと評価できる 【(C)J.LEAGUE】
そのほかに攻撃力で目を引くのはヴィッセル神戸と鹿島アントラーズだ。
神戸は昨夏に加入した大迫勇也と武藤嘉紀が2年目となる。2人とも日本の環境に馴染んだ分、良いコンディションでシーズンに臨めそう。元スペイン代表のボージャンなども、よりフィットするのではないか。清水エスパルスから藤本憲明が復帰した以外、アタッカー陣に目立った補強はないが、連携面がアップすることは間違いない。
鹿島は鈴木優磨の復帰が大きい。上田綺世とエヴェラウドがいるところに元エースが加わり、開幕戦で監督代行を務めると見られる岩政大樹コーチも良い意味で頭を悩ませそうだ。レネ・ヴァイラー新監督の合流時期が不透明なのは懸念材料だが、ボールを奪ったら素早くゴールを目指す方向性はチームで共有されている。FWはもちろん、昨年ベストヤングプレーヤー賞に選ばれた荒木遼太郎や新キャプテンの土居聖真などが、どれだけチャンスにかかわるかも注目ポイントだ。
5つの項目別に採点。各20点満点とし、その合計ポイントで戦力ランキングを作成した 【YOJI-GEN】