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21年JリーグMVPの川崎Fレアンドロ・ダミアン「来シーズンは必ずACLのタイトルを」

林遼平

来日3年目でトリプル受賞に輝く。9ゴール、13ゴール、23ゴールと、得点数も右肩上がりだ 【写真は共同】

 川崎フロンターレが連覇を達成した2021年のJ1リーグ。そのエースであるレアンドロ・ダミアンがMVP、得点王、ベストイレブンのトリプル受賞に輝いた。ゴール前で圧倒的な存在感を放ったかと思えば、チャンスメークに関わり、守備にも奔走する。チームとの契約を延長したばかりの最強助っ人に今季を振り返ってもらった。

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正直、すごく多く取れたなと思う

――Jリーグ年間最優秀選手賞(MVP)、得点王、ベストイレブンのトリプル受賞、おめでとうございます。率直な思いを教えてください。

 ありがとうございます。今はすごく幸せな気持ちでいっぱいです。もちろん、これらは自分の力だけでなく、家族、チームメートのおかげで獲得できたものです。サポートしてくれた人たちのことを考えても、この賞を手にできたことを誇りに思います。1年を通して自分のやってきたことが評価され、Jリーグのタイトルだけでなく個人タイトルまでいただけたのは、本当にうれしいですね。

――今季、川崎フロンターレはリーグ制覇を手にしました。あらためてシーズンを振り返っていただけますか?

 連覇を目指すのは、フロンターレとして2度目の挑戦でした。その最大の目標を成し遂げられたので、本当に誇らしい気持ちです。優勝という結果を残せたからこそ、個人タイトルが後から付いてきたのだと思います。

――今年はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)参戦や東京五輪の影響で過密日程となり、難しいシーズンでしたね。

 ACLのあとは長い隔離生活が待っていて、外出できない時期もありました。アウェイゲームが続いて家族と過ごす時間もあまり取れませんでした。ただ、そうした状況でも、チーム全体で集中力を高く保って練習に励めていたんです。今シーズンのカギとなったのは、まさにその集中力だと思っています。連戦中、監督は選手を入れ替えながら戦いましたが、代わって出場した選手が高いモチベーションで試合に挑んでいた。誰もが集中力を切らすことなく戦い抜いたことが、チームをさらなる高みへと導いたと思います。

――得点数は23ゴールでした。この数字については、どんな感想をお持ちですか?

 正直、すごく多く取れたなと思っています。今シーズンは例年以上にシュートの意識を高めて試合に臨んでいたんです。例えば、第5節のヴィッセル神戸戦で決めたハーフウェーライン付近からのゴール。あれはまさに、常日頃からゴールを狙う意識を高く持っていたからこそ生まれたものです。もちろんシュートだけでなく、前線から激しくプレスを掛けてボールを奪うこともしっかりと表現できた。また、チームメートも私の特徴を理解してくれて、私がどこにいるかを常に意識しながらプレーしてくれました。そうした一つひとつが23というゴール数につながったんじゃないかと思います。

視来だけでなく、アキも

「自分の得点よりもチームの勝利」と力説するレアンドロ・ダミアン。ゴール前で冷静な判断ができるのも強み 【スポーツナビ】

――今年はケガもなく、シーズンを通してコンスタントにゴールを奪いましたね。

 チームに貢献するという意味では、1年を通してコンスタントにプレーできたのは大きかったです。私はゴールを奪いたいと思っていますが、それ以上にチームを助けたいという気持ちが強いんです。今シーズンはゴールチャンスがあったとしても、アシストに回ることでゴールの確率が上がるのであれば、迷わずパスを選択しました。状況に応じた判断という意味でも、集中力が鍵になったと思います。

――先日、山根視来選手が「得点王を狙うならシュートを打ちにいってもいいのに、ちゃんと確率の高いパスを選択するところに凄みを感じる」と話していました。

 もちろん、得点王を意識することもありますけど、常日頃言っているように自分はチームのためにプレーしています。守備に回らなければいけないときにはボールを追いかけ、味方にゴールチャンスが生まれるのであれば、チャンスメークに徹します。とにかくチームの勝利にいかに貢献できるかを考えています。

――今シーズンはその山根選手からのアシストが多かった印象ですが、山根選手とのコンビネーションに対しては、どう感じていますか?

 視来は素晴らしい選手のひとりです。フロンターレだけでなく、日本代表を支える選手になっていくと思っています。視来とのコンビネーションに関しては、いい形を何度も作れましたね。視来からのアシストはもちろん、私も彼がどこにいるかをある程度把握できていたから、私から彼にパスを出すこともありました。視来だけでなく、アキ(家長昭博)も素晴らしいパスを何度も出してくれましたし、あらためて、チームメートのおかげで結果を残せたのだと感じます。

――また、今シーズンもFWのポジション争いは熾烈でしたね。

 私がフロンターレに加入したときから、(小林)悠はすごくサポートしてくれました。私と悠は同じポジションを争うライバルですが、そうしたことに関係なく、互いに高め合いながら、支え合いながらプレーしています。同じポジションには知念(慶)もいます。みんなで切磋琢磨しているからこそ、チームとして結果が出ているのではないかと。フロンターレの特徴は、みんなで助け合いながらプレーできていること。だからこそこの数年、タイトルを獲得できているんだと思いますね。

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著者プロフィール

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任し、『Number Web』などにも寄稿している。

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