2021年ドラフト会議が迫ってきた。昨年のドラフトを振り返ると、稀に見る「新人の当たり年」と言われるように、即戦力と評された選手の活躍が目立つ結果となった。その流れに乗じて今年も即戦力に人気が集まるのか、それとも、前評判の高いダイヤの原石に指名が競合するのか。ドラフト候補選手が出そろったところで、苑田聡彦スカウト統括部長（広島東洋カープ）と米村明アマスカウトチーフ（中日ドラゴンズ）に直撃。“敏腕”で鳴らす二人のスカウトに、上位指名が予想される有望選手の評価を明かしてもらった。

　第5回は、「社会人・独立投手」編。米村スカウトが“社会人No.1投手”と評価する廣畑敦也（三菱自動車倉敷オーシャンズ）は即戦力の呼び声が高い。両スカウト評としては、森翔平（三菱重工West）が廣畑に次ぐ即戦力候補だ。そして、独立Lにも目を向けて、伸びしろたっぷりでロマンを感じさせる有望株についても話を聞いた。

苑田スカウト「リリーフで力を発揮するタイプか」

　今春のスポニチ大会で見たとき、素晴らしいピッチャーだと思いました。腕の振りが良くて、球にキレがあって、球速は152キロ。変化球も全部良くて、特にカーブがいい。即戦力として1年目から10勝まではいかなくても、それに近いぐらい勝てるピッチャーになるな、と思ったんです。でも、その後のオープン戦や最近の都市対抗野球予選を見ると、スポニチ大会より少し調子を落としていて見極めが難しいところです。どちらかというと先発型ではなく、中継ぎや抑えとかで力を発揮するタイプかなとも思います。

米村スカウト「最大の魅力は、重いストレート」

　今年3月のスポニチ大会から、都市対抗野球予選まで大きな大会でずっといいピッチングを続けているという実績から、社会人No.1と言っていいピッチャーですね。即戦力が欲しい球団は（1位で）いくでしょうから、競合もあるかなと思っています。何より、真っすぐがいいです。石を投げているのか？というぐらい重い真っすぐを投げます。廣畑投手が投げる試合を見に行ったときに、7回ぐらいでバテていたんですが、志願して次の回もマウンドに上がって抑えていました。そういう面から見ても、根性があって気持ちも強い。先発ローテーションとして計算できるピッチャーになっていきそうですね。