ドラフト前に直撃!敏腕スカウトが明かす選手評価

プロのスカウトから見た前川右京の魅力 将来有望な逸材がひしめく「高校生野手」

瀬川ふみ子
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夏の甲子園では大暴れし、チームを準優勝に導いた前川右京。苑田・米村両スカウトからの評価も高い 【写真は共同】

 2021年ドラフト会議が迫ってきた。昨年のドラフトを振り返ると、稀(まれ)に見る「新人の当たり年」と言われるように、即戦力と評された選手の活躍が目立つ結果となった。その流れに乗じて今年も即戦力に人気が集まるのか、それとも、前評判の高いダイヤの原石に指名が競合するのか。ドラフト候補選手が出そろったところで、苑田聡彦スカウト統括部長(広島東洋カープ)と米村明アマスカウトチーフ(中日ドラゴンズ)に直撃。“敏腕”で鳴らす二人のスカウトに、上位指名が予想される有望選手の評価を明かしてもらった。

 第2回は、「高校生野手」編。苑田・米村スカウトともに最も高く評価したのが、甲子園での活躍もまだ記憶に新しい前川右京(智弁学園高)だ。どこに魅力を感じるのか、惜しみなく語ってくれた。また、前川に次ぐ、将来性を感じるスラッガーについても両スカウトの評価を聞いた。

前川右京(智弁学園高/176cm、90kg、左左)

苑田スカウト「プロで20本塁打以上を打てる素材」

 軸がしっかりしていて、体が開かないから広角に打てる。高校生でここまで打てるというのは、相当振り込んでいるなと。振り込まないとあそこまではいきませんから。率も残せて、さらに体のパワーがあるからホームランも打てる。うちの林晃汰の打ち方を参考にしたような感じですね。林は高校時代(智弁和歌山高)、ボール球に手を出すことがありましたが、前川選手は出さないですね。その点では、高校時代で比べると前川選手の方がいいんじゃないかと思います。プロではホームラン15〜20本、打率.280、50〜60打点ぐらいはいける選手。はまれば、ホームランや打点はもっと上がっていきますね。守備は特別ということではないですが、投げ方も悪くないので、これからプロに入って練習していけば十分やれます。欠点がなく、今後が楽しみな選手です。

米村スカウト「大舞台で活躍できるところが◎」

 私自身、「甲子園のような大舞台で結果を出した選手を評価したい」という考えがありまして、その観点から、前川選手に高評価をつけています。下級生のときからセンスがいいなと思っていましたが、今夏の甲子園でも打率.455を残したヒットメーカー。打てない時期もありましたが、無我夢中で練習してきたのでしょうね、打てるようになって3年夏の甲子園にやってきました。長打力もあってホームランも2発。プロ野球は人気商売ですから、大舞台で活躍できる選手は高く評価したいです。

 一つ気になるのは、変化球をホームランにした場面は見ているのですが、真っすぐを打ったのは見ておらず、打てるかどうか、ということです。プロのピッチャーは新人と対するとき、「俺の球が打てるものなら打ってみろ!」と直球を放ってきます。村上宗隆選手(東京ヤクルト)も、直球をバーンと打つからピッチャーはみんな変化球に逃げていくんです。相手が逃げるようになるには、まずは真っすぐを打つこと。そうしたら、プロでも活躍できるでしょうね。

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