連載:マー君復帰で大注目!楽天優勝のカギを握る男たち

田中将大はこの8年でどう変わったか MLB解説者・武田一浩氏が徹底分析

平尾類
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日本でプレーするのは、24勝無敗という神懸かった活躍で楽天を初優勝に導いた13年以来。MLBでの7年間を経て、田中はどう変わったのか 【写真は共同】

 メジャーリーグの解説でおなじみの武田一浩氏は、NHKの野球解説者として今年で19年目を迎える。現役時代は日本ハム、ダイエー(現ソフトバンク)、中日、巨人と4球団を渡り歩き、最優秀救援投手、最多勝を獲得するなど通算89勝31セーブをマーク。解説者としては技術的な見地から歯に衣着せぬ解説を展開し、「忖度(そんたく)しないので面白い」と心をつかまれている視聴者は多い。

 その武田氏が、8年ぶりに東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した田中将大について語ってくれた。ニューヨーク・ヤンキースでの7年間を通じて進化した部分、復帰1年目となる今季の展望、楽天のチームメートに与える影響など、自身の現役時代の裏話も交えた「忖度(そんたく)しない」トークは必見だ。

15勝に太鼓判!田中の一番の武器とは?

「コントロールがよく、抜け球がないからメジャーでも勝ってきた」と武田氏は分析。米国に行ってから、打者にゴロを打たせるのが格段にうまくなったとも 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 田中将大はヤンキースで6年連続二桁勝利を挙げるなど、メジャー7年間で78勝をマーク。MLB解説者としてその投球を見てきた武田一浩氏は開口一番、田中の活躍に太鼓判を押した。

「故障がなければ間違いなく勝てる。もちろん、24勝というのはね。13年のあの成績はピークですから(笑)。でも15は勝てると思います。

 田中投手の一番の武器はコントロールです。みんなスプリットがいい、スライダーがいいと言いますが、コントロールがいいからメジャーでも通用するんです。抜け球がないから勝つ。

 ここ数年は100球以内という状況で投げていました。球数が制限されているなかで長いイニングを投げるためには、当然打たせて取る術を覚えなければいけない。楽天でプレーしていた若手の時は勢いがあったので力投型でしたが、米国に行って昔よりゴロを打たせて打ち取るのが格段にうまくなりました。コントロールも以前日本にいた時より磨かれています。

 2月に沖縄で投球を直接見た時はまだ5割ぐらいの状態だったけど、全然大丈夫。開幕にきっちり合わせてくるでしょう」
 米国でのプレーを経て日本に復帰した選手が、本来の力を発揮できず苦しむケースは少なくない。投手で言えば、メジャーは中4日の登板間隔で100球という球数が目安だったのが、日本では中6日で120球がノルマとなり、完投を目指して投げる。しかもメジャーの公式球は革が滑りやすいのに対し、日本のボールはしっとりとしているため、変化球を投げる感覚も変わってくる。武田氏は「日本と米国の野球は別物」と認めたうえで、日本でプレーするメリットを強調する。
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著者プロフィール

1980年4月10日、神奈川県横浜市生まれ。スポーツ新聞に勤務していた当時はDeNA、巨人、ヤクルト、西武の担当記者を歴任。現在はライター、アスリートのマネジメント業などの活動をしている。

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