旧東ドイツに息づくウニオン・ベルリン ブンデスリーガを席巻するまでの熱き物語
2019年、ウニオンはクラブ史上初のブンデスリーガ昇格を決めた 【写真:Stuart Franklin/Bongarts/Getty Images】
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1部昇格の歴史的な日
ウニオンは2018-19シーズンのブンデスリーガ2部で3位に入りプレーオフへの出場権を得たが、そのプレーオフは1部・16位で臨むシュツットガルトが当然有利とされていた。しかし第1戦の2019年5月23日のゲームではウニオンがアウェーで2-2の貴重なドローを手にした。そして第2戦はベルリン南東部の街・ケーペニックに建つウニオンのホーム、『シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライ』が決戦の場である。それでもスイス人指揮官のウルス・フィッシャー監督率いるウニオンが置かれた状況は予断を許さなかった。勝利すれば昇格決定だが、3点以上のドロー、もしくは敗戦でその夢は絶たれる。緊張感に包まれた両チームスコアレスの試合終盤はウニオンにとって、まったく時計の針が進まない焦燥のときだった。小さなミスひとつで失点すれば、それは“終わり”を意味する。そんなスリリングな状況下で、試合は0-0で終了する。その瞬間、ウニオンのサポーターたちはピッチへとなだれ込み、英雄と化した選手たちは熱狂的な渦に包まれた。そのお祭り騒ぎは数日間続き、ベルリン中がウニオンのチームカラーである赤と白に染まった。
これにより、ウニオンは『アウトサイダー』、あるいは『アンダードック』としてドイツのトップカテゴリーであるブンデスリーガへ初参戦することになった。限られた予算で謙虚に戦い続け、小規模なクラブの立場でビッグクラブに抵抗する『アンダードック』というイメージは、東ドイツ時代からウニオンに冠されてきた誇り高き称号でもある。
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