ドルトムントが“盟主”に一矢報いる? バイエルン一強時代のデア・クラシカー

島崎英純
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デア・クラシカーの歴史

昨年11月のデア・クラシカーはバイエルンが接戦を制した 【Getty Images】

 ドイツ・ブンデスリーガのナショナルダービーに位置付けられる『デア・クラシカー(Der Klassiker)』が注目を浴びた時期は、すでに過ぎ去ってしまったのかもしれない。

 そもそもブンデスリーガが発足した1960年代(1963年発足)から現在まで、ドイツサッカー界のトップに君臨し続けているのはバイエルン・ミュンヘンのみであり、1970年代のボルシア・メンヘングラードバッハ、1980年代のハンブルガーSV及びヴェルダー・ブレーメンと、ほぼ10年単位でライバルは移り変わり、近年の『デア・クラシカー』でバイエルンとしのぎを削ることになるボルシア・ドルトムントがタイトル争いに絡むようになったのは1990年代に入ってからのことだった。

 その後、ドルトムントは2008−2009シーズンにユルゲン・クロップ監督(現・リヴァプール監督/イングランド)を招聘(しょうへい)してから着々とチーム強化を進め、2010−2011シーズンにはブンデスリーガでバイエルンを2度撃破した末に優勝を飾り、翌シーズンも連覇を果たしたことで国内でバイエルンと覇権を争う純然たるライバルとなった。

 最も重要な意味合いを帯びた『デア・クラシカー』は2012−2013シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝だろう。イギリス・ロンドンのウェンブリースタジアムに降り立ったのはバイエルンとドルトムントの二大ドイツ勢で、結果はマリオ・マンジュキッチとアリエン・ロッベンのゴールでバイエルンが2-1と勝利した。バイエルンはこのシーズンでリーガ、DFBポカール(ドイツカップ戦)と合わせて3冠を達成し、名実ともに“盟主”の座を確かなものにした。

 その後、クロップ監督が2014−2015シーズンを限りにクラブを去った後のドルトムントは、トーマス・トゥヘル監督(現・チェルシー監督/イングランド)体制の2016-2017シーズンにDFBポカールを制した以外は主要タイトルを獲得していない。一方で、バイエルンは昨季までに前人未到のリーガ8連覇を成し遂げ、過去10年でDFBポカールも5度獲得。そして昨季はCLを史上初の11戦全勝で制して7シーズンぶりの欧州制覇とともに主要タイトル3冠を達成し、その威厳を保ち続けている。

 近年のバイエルンとドルトムントの関係性は、かつてドルトムントに在籍したFWロベルト・レヴァンドフスキ、DFマッツ・フンメルス、MFマリオ・ゲッツェなどが相次いでバイエルンへ移籍したことで生まれた因縁が取り沙汰されるばかりで、タイトルを争うチーム同士の構図はクローズアップされていない。実際に昨季の『デア・クラシカー』の勝敗はリーガ第11節で4-0、同第28節で1-0と、いずれもバイエルンが勝利し、今季も第7節で接戦ながらもバイエルンが3-2で試合を制している。

 それでも、今年の3月4日に実施される第24節の『デア・クラシカー』には淡い期待感が漂っている。それはバイエルン、ドルトムントの双方にそれぞれの事情があるからである。
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著者プロフィール

1970年生まれ。東京都出身。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当記者を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動。現在は浦和レッズ、日本代表を中心に取材活動を行っている。近著に『浦和再生』(講談社刊)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信。ほぼ毎日、浦和レッズ関連の情報やチーム分析、動画、選手コラムなどの原稿を更新中。

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