陽気なお調子者たちに支えられるクラブ 1FCケルン、熱狂と凋落の歴史
今季、『ラインダービー』でボルシアMGに勝利して歓喜する1FCケルンの面々 【Getty Images】
試合前30分の熱狂
コロナ禍以前、ケルンのスタジアムは熱狂的なサポーターで埋まった 【Getty Images】
フェラーのこの一言は意地の悪い意味合いが込められているのと同時に、少なからず真実も含まれている。ケルンのホームスタジアムである『ラインエネルギー・シュタディオン』はドルトムントの本拠地である『ジグナル・イドゥナ・パルク』と並び、ブンデスリーガで最も雰囲気が良い場所だと言われている。試合前に5万人の観客がカーニバルの歌を大合唱する場にいることは、忘れがたい体験となる。しかし、そんな魅力的な雰囲気はボールが転がるとすで終わっているというのが、“フェラー発言”のエッセンスである。
ケルンはブンデスリーガで最も大衆音楽的佇まいを醸し、ひょっとすると最もクレイジーなクラブであるかもしれない。かつてケルンを率いた名将、ヘネス・バイスバイラーにちなんで『ヘネス』と名付けられたクラブマスコットは本物の山羊で、彼は試合中にピッチ横に立ち、コロナ禍でもこの“お守り”は必要とされて今でもライブストリームに“出演”している(ちなみに現在のヘネスは第9世代。2019年8月23日のドルトムント戦でデビューした)。
ケルンは過去30年間の大抵を順位表の下の方で過ごし、1998年以降に6度ブンデスリーガ2部へ降格している。それでも2試合でも良い試合が続けばもう、ケルンの人々はUEFAチャンピオンスリーグの夜を夢見たりする。1988-89シーズンから2年連続でチームを2位まで導き、1996年にはもう一歩でドイツ代表監督になるところだったクリストフ・ダウム(その後、ダウムはコカイン使用が発覚して代表監督就任が白紙になった)が2006年に指揮官として再び復帰したとき、ケルンの人たちは彼を救世主として歓迎した。そして、ケルンが生み出した今世紀最高の選手であるルーカス・ポドルスキのことは今でも『プリンツ』(英語でプリンスの意)と呼んで崇める。
続きはスポーツナビ公式アプリ(無料)で読むことができます。
- アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
- Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
- iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
- iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
- Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。
- 前へ
- 1
- 2
- 次へ
1/2ページ