連載:プロ野球・最強助っ人白書2021

ラミレスが考える外国人選手成功の法則 日本で活躍できるバッターは“悪球打ち”

前田恵
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NPB在籍13年間の通算成績は打率.301、2017安打、380本塁打、1272打点。多くのファンに愛された球界のレジェンド、アレックス・ラミレスがインタビューに答えた 【水上俊介】

 ヤクルト、巨人、横浜DeNAで活躍し、外国人選手史上初となる通算2000安打を達成。2016年から20年まではDeNAの監督を務め、低迷していたチームを3度のAクラスに導き、人気チームへと成長させたアレックス・ラミレスさん。選手として、監督として、多くの外国人選手と接してきたラミレスさんに、日本で活躍できる外国人選手の特徴を聞いた。

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活躍する外国人選手は「Why?」が少ない

選手として13年間、監督として5年間NPBに携わったラミレスさん(左)が考える、活躍できる外国人選手の特徴とは? 【写真は共同】

――まずはラミレスさんが考える、日本で活躍できる外国人選手の特徴について教えてください。

 日本に来る外国人選手には、2つのタイプがあると思います。1つは体がすでにできあがっていて、才能にあふれた選手。もう1つはよく考え、相手を分析し、学ぶ姿勢を持っている選手です。

 キャンプやオープン戦で対戦する投手は新外国人選手のことをよく分かっておらず、ストレートをストライクゾーンに多投してきます。肉体的な才能を持った選手は、そこで「結構打てるぞ、いい感じだぞ」と思うわけですが、シーズンが始まれば当然、相手の投球は変わります。

 才能だけに頼っていると、そこでつまずき、だんだん調子を落としていくことがあります。しかし、学ぶ姿勢を持っている選手は、変わりゆく状況や相手に合わせて柔軟に対応することができます。こういう選手は日本の野球にアジャストでき、より長く日本でキャリアを積むことができると思います。

――日本の野球を理解しようと努力する選手ですね。

 はい。学ぶ姿勢を持っている選手は、日本の野球に対して「Why?」が少ないです。

「(MLBではこうだったのに)なぜ日本ではこうなんだ?」「なぜこういうふうにしなければならないんだ?」

 こういう言葉を発せず、「なるほど、わかりました」「今、このように説明してくれましたが、ここをもう少し詳しく説明してもらえますか?」といった具合に、理解を深めていく。

 さらに、日本の文化にも理解を示して、日本人とともにラーメンを食べに行くなど、何でも積極的に受け入れます。こういうタイプの選手は結果を出すまでに時間がかかるかもしれませんが、一度結果を出し始めると、長く活躍します。

投手は「球速」と「クイック」が成否を分ける

取材はラミレスさんが経営するスポーツジム「CrossFit Motomachi Bay」で実施。NPBへの復帰を目指す、濱矢廣大投手(BCリーグ・茨城アストロプラネッツ)の姿もあった 【水上俊介】

――ピッチャー、バッターと分けて考えると、どのようなタイプの外国人選手が活躍する傾向にありますか?
 
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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