「サクセス」はあの恋愛ゲームがヒント? ファミスタ×パワプロ開発者の“野球愛”
夢の対談後編では『ファミスタ』岸本好弘氏、『パワプロ』谷渕弘氏に互いのゲームの印象を聞いた 【写真提供:鴫原盛之】
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人間ドラマを、野球ゲームに
谷渕 実は当時、『パワプロ』シリーズは3作ぐらいで終わるのではないかと思っていたんです。「今度で最後になるのかなあ。じゃあ、最後だから自分の好きなことを何かやろうかな?」と考えたのがそもそもの始まりでした。スポーツゲームは、普通はアクションかシミュレーションのどちらかになるのですが、実は私は学生時代に演劇をやっていて、ストーリーも自分で書いていたことも、ひとつのきっかけになりました。
野球ゲームを作るときは、選手のデータだけでなく、いろいろな野球関連の本を読んで勉強をするんですよ。本に書かれている、監督はどうだ、コーチはどうだという人間ドラマがすごく面白くて、「これを何とかゲームにできないかな?」と最初は考えたのですが、後に作ったマイライフモードみたいに、1人の選手の入団から引退までの人生をゲームにしようと思っても、当時のスーファミ(スーパーファミコン)の性能では何十年分の人生をゲームとして作れるわけがなかったんです。で、あるときに先輩が休み時間に、PCエンジンの『ときめきメモリアル』(コナミ)を遊んでいるのを見掛けたんです。『ときメモ』は、高校生活の3年間のうちに女の子から告白をしてもらうゲームなのですが、それを見て「3年間なら何とか作れるかも?」とひらめきました。
それから、ちょうどそのときに「広島カープの選手は、何度かある1軍に上がれるチャンスを逃し、入団から3年たってもモノにならなかったら退団になる」と書いてあった本を読んでいたので、「これを『ときメモ』のシステムでやればできるのでは?」と思い付きました。
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