連載:「パ・リーグ優勢の時代」はなぜ来た?

データが示す、DH制の影響 「野手1人分」の違いが生む攻守の実力差

小西亮
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ソフトバンクが巨人を圧倒した昨年の日本シリーズ。短期決戦においても「パの優位性」が如実にあらわれた格好となった 【写真は共同】

 15年間で、わずか1度。確率にして約6.67%となると、偶然とは言えそうにない。プロ野球セ・パ交流戦が2005年に始まって以降、セ・リーグが勝ち越したのは2009年だけ。近年のNPBは、パ・リーグ優位の情勢は揺るがない。要因のひとつとして議論の俎上(そじょう)によく上がるのが「DH制」。その影響は、複数の統計的数値からも見て取れるという。セイバーメトリクスを用いてプロ野球のデータを分析する「DELTA(デルタ)」のアナリスト・市川博久氏の協力で、セ・パの実力差を検証した。

ほぼ全ポジションでパ・リーグ優位の現状

年間の移動距離はパ・リーグが上位をほぼ独占。ハードな移動を強いられるパ・リーグがなぜここまで強いのだろうか 【データ提供:株式会社DELTA、図表作成:スリーライト】

「相当、差をつけられている感じがある」

 昨年10月、福岡ソフトバンクの4連勝で幕を閉じた日本シリーズ。敗軍の将は、そう言って一石を投じた。巨人・原辰徳監督が持論として提言したのが、セ・リーグのDH制導入。球界にくすぶり続けている話題に、にわかに熱が帯びた。

DH制の採用により、野手を起用できる打席数は250打席程度増加する 【データ提供:株式会社DELTA、図表作成:スリーライト】

 DH制によって、投手が打席に立つ機会は圧倒的に減る。19年までの直近6年間の両リーグの1シーズン平均でみると、1チーム当たり野手を起用できる打席数はパ・リーグの方が250打席ほど多くなる。一方、勝負所で投手に代打を送ることが多いセ・リーグは、代打の打席数がパ・リーグに比べて150打席ほど多い。野手が250打席も立てること自体、DH制のメリットとも言えるが、市川氏は「(その影響が)そこまで大きいかと言われると、説明がつきにくいところもある」と言う。単に“投手に代わって野手が打つから”強いという見方は、少し乱暴に映る。
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