スワーヴ復活V導いた欧州の若き天才騎手 夢のJC制覇「1週間は寝つけない」
スワーヴリチャードは昨年の大阪杯以来GI・2勝目
第39回ジャパンカップはオイシン・マーフィー騎乗の3番人気スワーヴリチャードが優勝 【写真:中原義史】
スワーヴリチャードは今回の勝利で通算18戦6勝(うち海外1戦0勝)、重賞は2017年GIII共同通信杯、17年GIIアルゼンチン共和国杯、18年GII金鯱賞、18年GI大阪杯に続き5勝目。騎乗したマーフィーはうれしいJRA・GI初勝利となり、同馬を管理する庄野靖志調教師はジャパンカップ初勝利となった。
スワーヴリチャードはこれが昨年の大阪杯以来となる復活のGI・2勝目となった 【写真:中原義史】
※リンク先は外部サイトの場合があります
「僕の夢がついに実現しました」
「夢がかなった」とマーフィーは喜びを爆発 【写真:中原義史】
そのうえ、重馬場だ。今年のGIレースで一番、混迷度合いが極まっていた、と言ってもいいのではないか。だから一攫千金を夢見がちな僕は、上位人気馬を片っ端から切っていった。もはや創設当初のコンセプトも何もなくなってしまった今年のJC、過去の実績など何のアテにもならないのだ――と。
ある意味、勝負論から離れてもう興味の大部分が馬券に移っていた僕だけど、そんなヨコシマな心をきれいに洗い流してくれるくらい、レースそのものは見どころたっぷりだった。
殊勲はもちろん勝ったスワーヴリチャードであり、完ぺきな騎乗でVロードへと導いたアイルランド出身の騎手オイシン・マーフィーだ。
「僕の夢がついに実現しました。ジャパンカップは世界有数のレースですし、勝つことは本当に難しいと聞いていましたから。とにかくホッとしています」
弱冠24歳で英国騎手リーディングを獲得
その腕前と人柄の良さですっかりトリコになった人も多いのでは? 【写真:中原義史】
JCがローカルGIでしかなかった草創期から知るオールドファンにとってはピンとこないかもしれないが、1995年生まれのマーフィーにとってJCは、物心ついたときからすでに世界のビッグレースとして存在していた。それだけに英国ダービーや凱旋門賞、米ブリーダーズカップ、ドバイミーティングらと同じくらい価値のあるレースと思ってくれているのだろう。そんな“夢のJC”を2度目の短期免許で早くも勝つことができた。
「大きなレースを勝った後はいつも、自分がどれだけすごいことをやったのか、すぐには理解できないんですけど、ジャパンカップは世界最高のレースの1つ。たぶん、1週間は寝つけないんじゃないかな(笑)」
まだ幼さが残る顔で、頬を紅潮させながら興奮気味に語ったマーフィー。しかし、騎乗はこれが24歳かと思うくらいの冷静さだった。