スミヨンよぎった「凱旋門賞のオルフェ」 内ラチ一気差しでライラック女王奪還
阪神JF以来、復活のGI・2勝目
エリザベス女王杯はスミヨン騎乗のラッキーライラックが勝利! 【スポーツナビ】
ラッキーライラックは今回の勝利でJRA通算12戦5勝、重賞は2017年GI阪神JF、同GIIIアルテミスステークス、18年GIIチューリップ賞に続く4勝目。スミヨン、同馬を管理する松永幹夫調教師ともにエリザベス女王杯はうれしい初勝利となった。
松永幹夫調教師(右から2人目)は史上初の騎手、調教師としてエリザベス女王杯勝利となった 【スポーツナビ】
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ファレノプシスと同じ馬番「2」
「やっと勝てましたね。ここまで長かったです。力のある馬だというのは分かっているのですが、なかなか結果が出なかったので、ここで勝つことができて本当にうれしいですね」
安堵の表情とともに現役時代と変わらぬミッキースマイルで答えたのは松永幹調教師だ。騎手時代にも2000年ファレノプシスでエリザベス女王杯を制し、騎手・調教師の両方で同レースを勝つのは史上初の快挙。そのことについてあまり意識はしていなかったというが、馬番「2」は奇しくもファレノプシスと同じだった。
馬番「2」は松永幹夫調教師にとっても思い出深い“吉兆”だった 【スポーツナビ】
その吉兆を現実とさせた立役者の一人が、世界の名手・スミヨン。調教から手綱をとり、その際に感じたラッキーライラックの印象は「まず落ち着いている馬。その割に動きがスムーズで機敏」。こういった特徴を持つ馬は、これまでの経験則からスミヨンにとって“走る馬”のサインであり、ジョッキーもまたトレーナー同様に良い予感をレース前から感じ取っていたに違いない。
最後の直線、内ラチ沿いで思い出した1頭の名馬
最内から一気に前を行くクロコスミア(右)をとらえた 【スポーツナビ】
「3コーナーを下った後、最初は外を回ろうかとも思ったんですが、右を見たらちょうど内ラチ沿いが開いていた。幸運でしたね。もちろん、ラッキーライラックの切れる脚があったからこそであり、そうじゃなかったから勝てなかったと思います」
鞍上の瞬時の判断と相棒の瞬発力。これまでの惜敗続きが嘘のような伸び脚で一気に先頭に立ち、鮮やかにゴール板を駆け抜けていった。実はこの時、スミヨンはある1頭の馬のことを思い出したという。それは、日本の競馬史に大きな足跡を残した名馬であり、ラッキーライラックの父でもあるオルフェーヴルだった。
ラッキーライラックの背中でスミヨンが思い出したのは凱旋門賞をともに戦ったオルフェーヴル 【スポーツナビ】
「今日のエリザベス女王杯の一番のポイントは、最後は内ラチ沿いを走ったので、オルフェーヴルが凱旋門賞で内ラチにぶつかったことを思い出してしまいました」