連載:FC東京 首都クラブの矜持「強く、愛される」

FC東京・長谷川監督を補佐する名参謀 2人のコーチが明かす「強さの秘密」とは?

馬場康平
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長澤徹(右)、安間貴義(左)の両コーチは高校時代から互いを知る旧知の間柄だ。かつてHONDAで同僚だったふたりは、今季、長澤がFC東京に復帰したことで再会。ともに参謀として長谷川監督をサポートする 【新井賢一】

 2015年からコーチを務める安間貴義と、コーチ兼U−23監督として今年、FC東京に復帰した長澤徹。ともにJ1クラブを指揮した実績を持つ経験豊富な両コーチは、長谷川健太監督を一番近くで支えるいわば参謀だ。「健太トーキョー」を知り尽くすふたりが、J1優勝へひた走るチームの強さの秘密を明かしてくれた。

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関わった人たちが幸せになってほしい

――おふたりの出会いはHONDA時代ですか?

長澤徹 実は、高校時代からの仲です(笑)。

安間貴義 初めて会ったのは、(静岡)県選抜の合宿ですね。

――お互いのことをどう思っていますか?

長澤 同類だと思っています。指導者として働く場所を選ばないところとか、「何でも来い!」というところは似ているのかなと。

安間 当時の高校サッカーでは、(長澤がいた)清水東高が絶対的な存在でした。だから初めは「うわぁ、テツさんだ」って、遠くから見ている感じでした。大学時代も変わらず憧れの存在でしたね。テツさんがHONDAに移籍してきた時も、やっぱり「うわぁ、テツさんだ」ですよ。それからボランチでコンビを組ませてもらって、本当にたくさんのことを教わりました。テツさんが話したように、僕も場所を選ばない。関わった人たちが幸せになってほしいという思いで現場に立っています。

長澤 アンちゃんは大木(武/前FC岐阜監督)さんの下で、僕も原(博実)さん(現Jリーグ副理事長/元FC東京監督)の下でコーチとして現場に立ってきた。お互い地方のクラブで指導もしたし、これまでのキャリアや道のりは近いものがあると思っています。選手を引退してから、現場に立ち続けている指導者は決して多くない。ずっと現場にいるというのが一番似ているところ。HONDAで指導者になってから、ここまで間を空けずにやってきたので。ずっとグラウンドに居続けているよね、お互い。

――本当にサッカーが好きなんですね。

安間 サッカーは好きですけど、契約がなければ続けられない仕事でもあります。僕も、テツさんも、行ったところで選手たちと全力で向き合ってきました。その選手たちが頑張ってくれたからこそ、ずっと仕事を続けてこられたのだと思います。なので、選手に養われている感じですね(笑)。(カターレ)富山時代に指導した白崎(凌兵/現鹿島アントラーズ)や(中島)翔哉(現FCポルト)だけでなく、多くの選手が今もピッチで頑張ってくれている。だからこそ、東京に呼ばれたのだと思っています。
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著者プロフィール

1981年10月18日、香川県出身。地域新聞の編集部勤務を経て、2006年からフリーに。現在、『東京中日スポーツ』等でFC東京担当記者として取材活動を行う。2019年に『素直 石川直宏』を上梓した。

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