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黒田博樹氏が考える、正しい投球フォーム
「長く投げる」ために大切なこととは?

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日米通算533試合に登板した黒田氏が語る、「長く投げ続ける」ために大切な考え方とは?
日米通算533試合に登板した黒田氏が語る、「長く投げ続ける」ために大切な考え方とは?【写真は共同】

 日米通算20年間のプロ生活で通算533試合(505試合に先発)に登板し、203勝を挙げた黒田博樹氏。驚くべきは長い現役生活で大きな故障もほとんどなく、プロ最終年となった41歳のシーズンでさえ150イニング超を投げ、10勝、防御率3.09の成績を残していることだ。「40歳を超えると体もきつく、中6日のローテで回るにはだんだん時間が足りなくなってきた」と言う黒田氏だが、それでも人並外れて長く“投げる体”を維持できたのはなぜか。その体験談と、後進たちへのアドバイスを聞いた。

「自分のベストフォームが変わっていくのは当然のこと」

名門・ヤンキースで3年連続2ケタ勝利を挙げるなど、日米通算203勝をマークした
名門・ヤンキースで3年連続2ケタ勝利を挙げるなど、日米通算203勝をマークした【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

――黒田さんはどこで、どうやって自分にとっての“正しいフォーム”を作ったのでしょうか?


 僕の場合、フォーム作りを強く意識したのはプロ(広島)に入ってからですね。入った当時(1997年)は今とは違い、まだ“投げ込み”の全盛期。多くの球団がキャンプでは200球、300球と投げて調整していました。それが良いか悪いかは別にして、その中で自分の疲れないフォーム、体に負担がかからないフォームが自然と身についたのではないかと思います。


――アマチュア時代に、「これが正しいフォーム」というものを教わったことは?


 ピッチャーはそれぞれ手の長さ、足の長さ、身長も筋力も違うので、全員に当てはまる投げ方はないと思うんです。だから、自分に合った投げ方を自分で探していくしかない。逆に言うと高校、大学で主軸になるようなピッチャーのフォームを見れば、それ相応のパフォーマンスが出せる投げ方をしているはずです。ただ、パフォーマンスのみを重要視してしまうと体に負担がかかりすぎてしまう怖さも出てくると思います。


――黒田さんはプロ入り後、ほとんど故障知らずのイメージがありますが、プロ入り前はどうだったのですか?


 僕は中学、高校時代に肩や肘に大きな怪我をした記憶はありません。高校時代は夏の大会でもそんなに放っていないですしね。ただ、脊椎分離症……腰の疲労骨折のような状態にはなりました。僕の周りでも、腰の怪我は多かったんです。まだ体が完全に出来上がっていない、骨がしっかりと出来上がっていない中、ピッチャーに限らず野手でもハードな練習をすると腰に負担がかかり、そういった症状が出るそうです。まず休んでから、トレーニング、病院、治療院巡りをしました。高校が推薦するトレーニングジムにはドクターもいらして、体のケアや故障しにくいトレーニング方法を教わった記憶があります。


 大学1年になって初めて、肩を壊しました。そこで悔しい思いをしたので、また肩のケア、トレーニング方法など、自分なりに勉強しました。そこは投げ方うんぬんより、ケアのほうが中心でしたね。


――自分に合ったフォームは、年々変わってくるものですか?


 特にプロに入ると、毎年体の仕組みは変わってきますし、1年1年、可動域も変わってきます。だから、常に同じ投球フォームが自分にとってベストかというと、それはなかなか難しい。僕自身、20代前半の投げ方、30代前半の投げ方、アメリカに行ってから、そして40歳近くになったときのベストのフォームはそれぞれ違いました。違ってくるのは当然だと思っていましたから、そこで頭の切り替えはうまくできたと思います。

前田恵

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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