黒田博樹氏が考える、正しい投球フォーム 「長く投げる」ために大切なこととは?
日米通算533試合に登板した黒田氏が語る、「長く投げ続ける」ために大切な考え方とは? 【写真は共同】
※リンク先は外部サイトの場合があります
「自分のベストフォームが変わっていくのは当然のこと」
名門・ヤンキースで3年連続2ケタ勝利を挙げるなど、日米通算203勝をマークした 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
僕の場合、フォーム作りを強く意識したのはプロ(広島)に入ってからですね。入った当時(1997年)は今とは違い、まだ“投げ込み”の全盛期。多くの球団がキャンプでは200球、300球と投げて調整していました。それが良いか悪いかは別にして、その中で自分の疲れないフォーム、体に負担がかからないフォームが自然と身についたのではないかと思います。
――アマチュア時代に、「これが正しいフォーム」というものを教わったことは?
ピッチャーはそれぞれ手の長さ、足の長さ、身長も筋力も違うので、全員に当てはまる投げ方はないと思うんです。だから、自分に合った投げ方を自分で探していくしかない。逆に言うと高校、大学で主軸になるようなピッチャーのフォームを見れば、それ相応のパフォーマンスが出せる投げ方をしているはずです。ただ、パフォーマンスのみを重要視してしまうと体に負担がかかりすぎてしまう怖さも出てくると思います。
――黒田さんはプロ入り後、ほとんど故障知らずのイメージがありますが、プロ入り前はどうだったのですか?
僕は中学、高校時代に肩や肘に大きな怪我をした記憶はありません。高校時代は夏の大会でもそんなに放っていないですしね。ただ、脊椎分離症……腰の疲労骨折のような状態にはなりました。僕の周りでも、腰の怪我は多かったんです。まだ体が完全に出来上がっていない、骨がしっかりと出来上がっていない中、ピッチャーに限らず野手でもハードな練習をすると腰に負担がかかり、そういった症状が出るそうです。まず休んでから、トレーニング、病院、治療院巡りをしました。高校が推薦するトレーニングジムにはドクターもいらして、体のケアや故障しにくいトレーニング方法を教わった記憶があります。
大学1年になって初めて、肩を壊しました。そこで悔しい思いをしたので、また肩のケア、トレーニング方法など、自分なりに勉強しました。そこは投げ方うんぬんより、ケアのほうが中心でしたね。
――自分に合ったフォームは、年々変わってくるものですか?
特にプロに入ると、毎年体の仕組みは変わってきますし、1年1年、可動域も変わってきます。だから、常に同じ投球フォームが自分にとってベストかというと、それはなかなか難しい。僕自身、20代前半の投げ方、30代前半の投げ方、アメリカに行ってから、そして40歳近くになったときのベストのフォームはそれぞれ違いました。違ってくるのは当然だと思っていましたから、そこで頭の切り替えはうまくできたと思います。
続きはスポーツナビ公式アプリ(無料)で読むことができます。
- アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
- Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
- iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
- iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
- Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。
- 前へ
- 1
- 2
- 次へ
1/2ページ