智辯和歌山・高嶋前監督は球数制限に疑問 問題の根源は違うところにある
高校野球で数々の記録を打ち立ててきた高嶋氏。球児たちに愛情を持って接してきた名将は球数制限についてどんな考えを持っているのだろうか 【写真は共同】
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私なら決勝までエースを温存させる
「高校野球だけ球数制限をしても意味があるのか」。高嶋氏は昨今の議論について疑問を投げかける 【撮影:スリーライト】
一言言うとですね、近くで見ている監督の判断に関しては、外からとやかくは言えないんですよ。ただ、あれだけの投手がいると大事なのは使い方ですよね。甲子園に行きたいと思えば、決勝戦で投げさせるとして、私なら逆算してどこで何イニング投げさせるかを考えます。どうしても投げさせざるを得ないポイントになる試合があるとすれば、頭何イニングだけとか、後ろ何イニングだけとか。準々決勝でも何イニングとかね、最低でも短いイニングを投げさせるとか頭の中で計算するんです。
――2番手、3番手投手の起用法もポイントになりますね。
甲子園に行きたいのはエースだけではなく、控えの投手や野手も同じなわけですから。控え投手には大会前に“エースを決勝に置いておくから、お前らは(決勝戦までのマウンドで)頑張れ”と事前に言います。そもそもウチ(智辯和歌山)には1人で投げ切れるエース級のピッチャーなんて来ませんから、野手兼任も含めて5人も6人もピッチャーを作らないといけないんです。今まで、その中でうまく継投して勝ってきましたんでね。
決勝まで行って、甲子園まであとひとつなのに、エースを投げさせないのはちょっとかわいそうです。私はやっぱり勝ちたいですから、甲子園に行くことを前提に考えますよ。
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