連載:高校野球の「球数制限」を考える

智辯和歌山・高嶋前監督は球数制限に疑問 問題の根源は違うところにある

沢井史
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高校野球で数々の記録を打ち立ててきた高嶋氏。球児たちに愛情を持って接してきた名将は球数制限についてどんな考えを持っているのだろうか 【写真は共同】

 高嶋仁氏は、昨年、智辯和歌山の監督を勇退。48年間の監督業で積み上げた甲子園での勝ち星は、歴代最多の「68」を誇る。そんな甲子園の戦いを知り尽くした名将は、昨今の球数制限問題の議論に、高校野球の現場としての立場から疑問を投げかけている。今回のインタビューでは、半世紀もの間、球児たちと真剣に向き合ってきた高嶋氏の発言の真意と、想いに迫った。

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私なら決勝までエースを温存させる

「高校野球だけ球数制限をしても意味があるのか」。高嶋氏は昨今の議論について疑問を投げかける 【撮影:スリーライト】

――この夏、大船渡の佐々木朗希投手が地方大会の準決勝までの疲労を考慮して決勝戦で投げさせずに終わったことが大きな議論を呼んでいます。高嶋さんはこの件についてはどのように見られていますか?

 一言言うとですね、近くで見ている監督の判断に関しては、外からとやかくは言えないんですよ。ただ、あれだけの投手がいると大事なのは使い方ですよね。甲子園に行きたいと思えば、決勝戦で投げさせるとして、私なら逆算してどこで何イニング投げさせるかを考えます。どうしても投げさせざるを得ないポイントになる試合があるとすれば、頭何イニングだけとか、後ろ何イニングだけとか。準々決勝でも何イニングとかね、最低でも短いイニングを投げさせるとか頭の中で計算するんです。

――2番手、3番手投手の起用法もポイントになりますね。

 甲子園に行きたいのはエースだけではなく、控えの投手や野手も同じなわけですから。控え投手には大会前に“エースを決勝に置いておくから、お前らは(決勝戦までのマウンドで)頑張れ”と事前に言います。そもそもウチ(智辯和歌山)には1人で投げ切れるエース級のピッチャーなんて来ませんから、野手兼任も含めて5人も6人もピッチャーを作らないといけないんです。今まで、その中でうまく継投して勝ってきましたんでね。
 決勝まで行って、甲子園まであとひとつなのに、エースを投げさせないのはちょっとかわいそうです。私はやっぱり勝ちたいですから、甲子園に行くことを前提に考えますよ。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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