球数制限を導入した首都大学リーグ
日体大野球部の取り組みに迫る

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大会日程の改善やベンチ入りメンバーを毎試合登録制にするなど、古城監督は高校野球の改革案についても話してくれた
大会日程の改善やベンチ入りメンバーを毎試合登録制にするなど、古城監督は高校野球の改革案についても話してくれた【撮影:スリーライト】

 大貫晋一(横浜DeNA3位)、松本航(埼玉西武1位)、東妻勇輔(千葉ロッテ2位)と、今季プロ野球界に3人の即戦力投手を送り出した日本体育大。同校監督として11年目のシーズンを迎える古城隆利氏は、旧来の“悪しき体育会の伝統”を打ち砕き、新たな体育会クラブ像を作る「体育会イノベーション」に4年前から取り組んでいる。大学球界としていち早く球数制限のガイドライン(※)を設けた首都大学リーグにあって、さらに進取の精神を育もうとしている古城氏に、選手育成への思いを聞いた。


(※)首都大学連盟主催公式戦における球数数ガイドライン

*罰則規定は設けない

○1戦目は投球数制限をしない

○2戦目は前日121球以上投げた場合は、翌日50球までとする。ただし投球中に50球を超えた場合はイニング終了まで可とする。

○1戦目で120球以下の場合は連投を妨げない。

○雨天で1日あけた場合は、制限を設けない。

試合に向けての調整法は、選手自ら考える

――首都大学野球リーグでは昨春から、ピッチャーの球数制限のガイドラインを導入しています。ガイドラインができたことで、練習内容やリーグ戦における投手起用は何か変わりましたか?


 それが良い形になっているのか、150キロ超を投げるピッチャーが今、首都大学リーグだとうちに4人、東海大に3人、筑波大にも1人……と、リーグ全体でピッチャーのレベルは上がってきていると感じます。うちに関して言いますと5年前から、投手の将来性を考えて育てる方針を取っています。適正な登板間隔を与え、その間トレーニングをして、各自が任されたイニングを乗り切る。OBで元中日ドラゴンズの辻(孟彦)がちょうど投手コーチとして戻ってきたときで、彼に投手陣を任せ、計画的に育成してもらっています。辻コーチの時代は3連戦3連投で彼1人に負担をかけましたが、今は2連戦が基本ですし、連投や無理な登板がなくなって良かったと思います。


――その投手陣の練習、休養、試合の登板間隔、球数など、どんなふうにマネジメントしているのでしょうか。


 すべて辻コーチに任せているのですが、こちらでは管理していないんですよ。リーグ戦における各投手の役割、つまり先発でいく投手か、後ろでいく投手かを最初に提示するんです。そこで選手は自分が与えられた役割を全うするためのコンディショニング法を考えます。投球練習の間隔、球数、ランニング、休養をどう入れていけば一番良い結果を出せるか自分で決め、登板に備えます。首都大学は土日が試合ですが、うちはあえて月曜を休みにせず、軽めの練習や課題、問題点の修正練習にあて、火曜日を休みにしています。登板日も土日のどちらかあらかじめ分かっていますから、木曜か金曜に少し多めの球数を投げて調整する形で、無理はないと思います。


――昔のピッチャーは、投げ込みをして肩を鍛えるという考え方でした。今、大学球界では、もうその考え方はなくなっていますか?


 これは私の考えですが、大学野球の場合は、時期によって多く投げる時期があってもいいかなと思いますね。ただ連投するのではなく、計画的に。例えばキャンプに行っている間、この日は100球以上投げようとか、200球いってみようとか、チャレンジしてもいい。その代わり、翌日張りが出る。その張りを自分が体験することによって、「ここの使い方がこうだから、この部分に張りがきているんだ」とか、「ここにストレスがかかっているということは、自分はこういう投げ方になっているんだな」とか、学んでほしい。そして自分の投げる体力を知り、フォームを修正する。球速を測っているので、何球以上から急激に落ちてくるかが分かれば、我々にとっても指針になります。オープン戦の中盤に、何球かかっても一人で投げ切ってみようとか、一試合投げ抜く練習も必要ではないかと思います。ただし、極端に150球などとなってきたら、こちらがストップをかけますが。

前田恵

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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