モナコGP、勝利の絶対条件はフロントロウ
レッドブル・ホンダ、獲得の確率を占う

フロントロウ獲得なら勝率.677

世界3大レース・モナコGPで優勝なるか。レッドブル・ホンダ(写真右)とトロロッソ・ホンダ
世界3大レース・モナコGPで優勝なるか。レッドブル・ホンダ(写真右)とトロロッソ・ホンダ【Getty Images】

 モナコGPの予選が25日22時(日本時間)に行われる。F1モナコGPは1950年の初開催以来、今年が66回目の開催となり、過去65回(51〜54年は未開催)のデータを振り返ると、ポールトゥウィン、つまりポールポジションを獲得したドライバーの勝利回数は、29回(勝率.446)。フロントロウの予選2位を獲得したドライバーの勝利回数は15回(勝率.231)。セカンドロウの予選3位からの優勝回数は11回(勝率.169)、予選4位からの優勝回数は3回(勝率.005)となっている。ちなみに予選5位以下で優勝した回数は7回だけで、予選グリッドが10位以下で優勝したのは、97年にオリビエ・パニス(リジェ・無限ホンダ)の予選14位からのただ一度きりだ。また、意外なことに予選5位からの勝利回数は4回(勝率.006)と予選4位より多い。これはグリッド位置が関係しているかもしれない。


 つまり、モナコGPで勝利するためには、予選フロントロウは絶対(勝利回数44回/勝率.677)、予選セカンドロウならチャンスあり(勝利回数14回/勝率.215)と言える。さて、では今年のレッドブル・ホンダ、とくにマックス・フェルスタッペンにモナコ初勝利の絶対条件であるフロントロウ獲得、もっと言えば、F1初のポールポジションの可能性はあるのか? 外国人識者たちに聞いた。

 最初に答えてくれたのは、ドイツ人ジャーナリストのゴリス・ルーカス氏だ。しかし、ルーカス氏の予想はかなり辛めのものだった。


「そうだな、フェルスタッペンがフロントロウを獲得する確率は、多めに見積もって15%と言ったところだろうか。セカンドロウを獲得する確率は40%程度だろう。正直、いまのメルセデスはかなり速い。パッケージとして、完全に抜きん出ている。そして、侮れないのがフェラーリだ。彼らはオーストラリアGPでレッドブルより良かったことを忘れてはいけない。しかも、シャルル・ルクレールは母国GPだし、セバスチャン・ベッテルもモナコは得意と言えるタイプのドライバーだ。フェルスタッペンが彼らを上回るには、本当にアイルトン・セナのようにマシンの99.8%を常に引き出して走ることが求められる。予選は1ラップだけだが、それだけにどのドライバーも集中力が高まっていて、全員がマシンの98%以上100%未満で走るはずだ。そのなかでフロントロウというのは、なかなか厳しいのではないだろうか」

適正が合うレッドブルのマシンに期待

モナコGP最多6勝を挙げたセナ。6勝のうち4度はフロントロウからの優勝だった
モナコGP最多6勝を挙げたセナ。6勝のうち4度はフロントロウからの優勝だった【Getty Images】

 一方、辛口のルーカス氏と真逆の予想を挙げたのは、デンマーク人ジャーナリストのピーター・ヌゴール氏だ。


「私の予想は、フェルスタッペンのフロントロウ獲得の確率は40%、セカンドロウ獲得の確率は80%だと思う。一番の要素は、モナコGPにおけるマシンの説明をしたと思うが、エンジンパワーの影響はもっとも小さい。求められるのはドライバビリティだったり、エンジンレスポンスの良さ、さらには操縦安定性だ。これはレッドブルのマシンにアドバンテージがある。


 そしてそれ以上に、ドライバーのセンスがタイムを左右する。フェルスタッペンの集中力の高さは、ルイス・ハミルトンやベッテルの集中力と同等以上だと個人的には感じている。コース幅いっぱいをギリギリまで使った走りと、もともとコース特性にあったアドリアン・ニューウェイがデザインしたマシンが組み合わさることで、フロントロウは十分可能だと思うし、もしかしたら初のポールポジションもあり得ると思う。


 セカンドロウに関しては、上位5人の中で4番目までに入れば良いのだから、単純に80%とさせてもらった。つまり、それほどモナコGPにおけるレッドブル・ホンダと、フェルスタッペンの力はメルセデス、フェラーリと変わらないレベルにあるということだ。


 さらに言えば、私はホンダパワーユニット(PU)搭載車4台ともに予選10位以内に入る力が十分にあると思う。ピエール・ガスリーも、ラップをうまくまとめればセカンドロウに入る可能性があるはずだ。トロロッソもアレキサンダー・アルボン、ダニール・クビアトともに良い結果を出せると思う。とくに注目したいのはアルボンで、1年目の彼がどんな走りをモナコGPで見せることができるのか、非常に興味深い」


 このヌゴール氏の強気な予想に対して、確率を明言するのは避けたが、フェルスタッペンのフロントロウ獲得の可能性に同調したのが、数々のチャンピオンを見てきた元フィリップモリスF1広報でジャーナリストのアニエス・カリエ氏だ。


「そうですね、フェルスタッペンが予選でフロントロウを獲得できる可能性は高いと思います。というのも、前にも説明しましたが、彼は機を逃さないというか、ここぞというタイミングで結果を残してきました。過去には予選14位から優勝したオリビエ・パニスのような稀有(けう)な例もありますが、モナコGPでは、できればフロントロウ、少なくともセカンドロウに入ることが勝利への絶対条件です。今年のフェルスタッペンは、非常に安定しているので、このチャンスを逃さないでしょう。


 正直、ポールポジションは厳しいかと思いますが、こればかりは誰にもわかりません。わずかなミスでタイムを落とすのがモナコGPです。メルセデスやフェラーリのドライバーたちが、全員完璧なラップを刻めるかは誰にもわかりません。逆に言えば、フェルスタッペンが完璧なラップを刻めば、それは必然的にフロントロウ獲得の可能性が高いということだと思います。


 もうひとり、ガスリーに関しては、彼はシーズンが進むごとにレッドブルのマシンを乗りこなしています。ですから、モナコGPでも良い予選を戦えると思います。モナコGPでは、走行順というか、前を行くマシンとの間隔も予選アタックでは非常に重要です。そこは運も関わるので、昨年、初めて挑戦して7位だった強運を今年も発揮することができれば、予選で6位以内、運が良ければセカンドロウの可能性もあるかもしれません」

田口浩次

スポナビDo

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