モナコの女神はホンダに微笑むのか? ドライバーから見た優勝の可能性

田口浩次
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100%の力を発揮してはいけない

フェルスタッペンが史上最年少デビューしてからすでに5年目。これまで5勝、25回の表彰台を獲得しているが、いまだポールポジションはない。次世代チャンピオンの筆頭候補として抜け出すためにも、モナコGPでの初ポールポジション、初勝利を狙いたい 【Getty Images】

 モナコGPはドライバーズサーキットと呼ばれている。これはどういうことかと言うと、本来レースは、かなりの部分でレーシングカーの出来栄えで勝負が決まる。例えば、いくらルイス・ハミルトンがドライブしても、ウィリアムズのマシンでは勝ち目はない。

 しかし、モナコGPだけは、マシン差が解消される。とくに解消されるのはパワー差。なにしろアクセルを全開にできる区間がほとんどない。その昔、アイルトン・セナは、当時のターボエンジンは突然パワーが出る仕様だったため、あえてそのパワーを低くするよう、ターボの圧力を低くする指示をしたほど。つまり、パワーよりも乗りやすさ、反応の良さが、モナコGPでは重要ということだ。
 そんなモナコGPは、ドライバーの腕前がそのまま予選結果に出ると言われている。どれだけモナコという特殊なコースを支配下に置いているか、卓越したドライビングセンスを持っているかを周囲に知らしめるのがモナコGPであり、その姿にファンは熱狂してきた。

 ドイツ人ジャーナリスト兼フォトグラファーのゴリス・ルーカス氏はモナコGPで勝てるドライバーの特徴についてこう説明する。

「アイルトン・セナ(6勝)、ミハエル・シューマッハ(5勝)、ニコ・ロズベルグ(3勝)。この3人のドライバーはモナコGPとの相性が非常に良いドライバーで、実際に自分がこの目で勝つ瞬間を見てきたドライバーたちだ。このモナコGPで勝てるドライバーにはひとつの共通点がある。それは、一度たりともマシンの限界100%で走らないこと」
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