連載:錦織圭、グランドスラム制覇への道

トップ20の勢力図に変化 錦織世代は苦戦、台頭する「次世代」「遅れてきた男たち」

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BIG4に、ネクストジェネレーション、遅れてきた男たち……。錦織のライバルは強敵ぞろいだ 【Getty Images】

 2014年、錦織圭が24歳で全米オープン決勝へ進出したときは、「BIG4」の牙城を崩す存在になると思われた。しかし、その後「BIG4」はさらなる進化を果たし、男子テニスをけん引し続けた。

 当時「ヤングガンズ」と呼ばれた錦織の世代も29歳になった。悲願のグランドスラムタイトルをつかむためには「BIG4」だけでなく、急速に力を伸ばしてきた新世代の「ネクストジェネレーション」、さらには「遅れてやってきた男たち」を倒さねばならない……。

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旧ソ連の流れをくむ「次世代」の旗手たち

 17年11月、Next Gen ATPファイナルズの第1回大会がイタリアのミラノで開催された。これは21歳以下の男子トッププレーヤーによる大会で、シーズン最後に行われるATPファイナルズの若手版。ATPは新しいスターの台頭を促しているようだ。

 そして現在「ネクストジェネレーション」と言われるこの世代のトップを走るのは、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク5位/22歳)とステファノス・チチパス(ギリシャ/6位/20歳)だ。

 ズベレフは17年に大きく飛躍。5月のイタリア国際の決勝で、ジョコビッチを破り、マスターズ初優勝を決め、20歳で世界ランクトップ10入りを果たした。その後、18年ATPファイナルズで、フェデラーとジョコビッチに勝って初優勝。今シーズンはさらなる飛躍が期待されるが、課題はメンタル面。また、グランドスラムでの最高成績は18年全仏オープンのベスト8で、4回戦進出も2回とランキング4位としては少しさみしい。

 チチパスは18年に10代でトップ50入りすると、その年のウィンブルドンで4回戦進出。8月のロジャーズ・カップではジョコビッチら、トップ10の選手を4人破り準優勝。11月のNext Gen ATPファイナルズで優勝すると、その勢いのまま、19年1月の全豪オープンでフェデラーらを破り、初のグランドスラムでベスト4に進出した。こちらもズベレフ同様、20歳でトップ10入りを果たしている。
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著者プロフィール

小野寺俊明(おのでら・としあき):スポーツコンテンツクリエーター、スポーツPRコンサルタント。スポーツ団体や選手のサイト、テレビ局のスポーツサイトを数多く立ち上げたほか、スポーツ団体やチームの運営・広報、SNSやWeb戦略のアドバイザーを務める。2004〜16年はプロバスケットボール「bjリーグ」PRマネージャー、現在は卓球の「Tリーグ」でメディア・プロモーション部プロデューサー。また、2006年から11年まで中央大学商学部客員講師としてスポーツビジネスの教鞭をとった。著書は「BUZZER BEATER〜日本プロバスケットボール bjリーグ 11年の軌跡」「【FIFAワールドカップへ行こう!】現地観戦BOOK」など。

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