錦織圭、言葉から探る強さの秘密「いつでもだれでもラッキーはくる」
2016年全米オープン準々決勝、錦織は格言通り最後まであきあめずに戦い、大熱戦を制した 【Getty Images】
最終セットにもつれたときの錦織圭の勝率75%は男子ツアーの歴代1位。190センチを超える巨漢がランキング上位を占める男子テニスにあって、178センチの錦織が勝ってきたのは、気持ちの強さ、そして集中力があったからだ。ここでは錦織の過去の発言から、彼の気持ちの強さの理由を探してみたい。
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中学生の頃にハマった格言作り
錦織は中学生の頃、自分なりの格言作りにハマったことがある。ちょうど相田みつをがブームで、それに感化されたと聞いた。「格言」のいくつかはメディアでも取り上げられたが、なかでも傑作はこれだろう。
「いつでもだれでもラッキーはくる、そう思え!」
試合でどうもついてないな、と思っても、運は誰にでも平等だ。やるべきことをやっていれば、必ず自分にも運が向いてくる……。10代前半の錦織は、そう考えて自分を励ましたのだろう。
なんともほほえましいが、一方で、格言作りは自分なりに工夫したメンタルトレーニングとも解釈でき、その一途さ、少年の覚悟には胸を打たれる。
勝負に運不運はつきものだ。運が向かないときは、じっと耐えて荒波をやり過ごし、追い風を待つ。1試合の中でも、1シーズンの中でも、そして選手のキャリア全体でも通用しそうな格言だ。
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