イチロー引退の日、何が起きていたのか
「3.21」ドキュメント

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連載:第3回

声援に応えるイチロー。試合後、東京ドーム場内を一周し、ファンに別れを告げた
声援に応えるイチロー。試合後、東京ドーム場内を一周し、ファンに別れを告げた【Getty Images】

 迎えた運命の3月21日。ファンもまた覚悟していたのではないか。


 個人的にはあの日の昼過ぎ、東京ドームに着いてから「試合後に発表があるだろう」という話を耳にした。ただ、感慨に浸る暇などない。それからは、いろんなところに連絡をしたり、書きかけの原稿を直したりと、やることが際限なくあった。

多くの選手は引退を知らずに試合へ

 その後、何事もないかのように、予定されていたことがほぼ時間通りに過ぎていく。


 ただ16時過ぎ、サービス監督が会見を行った後で、マリナーズはチームミーティングを開いた。通常、シリーズ初戦に野手、投手がそれぞれミーティングを行うが、シリーズ2戦目というのは不自然だった。ひょっとしたら、試合前に伝えることもあるのか。


 ミーティングが終わってフィールドに出てきた、ある信用のできる選手に確認したものの、「そういう話ではなかった」という返事。その後、ジェリー・ディポトGM(ゼネラルマネジャー)をベンチ裏で捕まえたが、のらりくらり。「イチローをどうするかは正しいときに発表する。今夜は素晴らしい夜になるだろう」。


 これが当連載第1回で紹介したエピソードにつながる。

丹羽政善

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米し、インディアナ州立大学スポーツマーケティング学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行っているほか、NHK BS−1で放送されている「ワールドスポーツMLB」にも出演している。

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