雑音にも負けずミルコ&マーズ千六で二冠 ルメール降着…騎乗停止でダービーアウト
朝日杯FSに続く2個目のGIタイトル
アドマイヤマーズは今回の勝利でJRA通算7戦5勝、重賞は2018年GI朝日杯フューチュリティステークス、同GIIデイリー杯2歳ステークスに続く3勝目。騎乗したミルコ・デムーロはNHKマイルC初勝利、同馬を管理する友道康夫調教師は15年クラリティスカイ以来となる同レース2勝目となった。
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意外な中団待機もミルコの作戦通り
「スッキリしました(笑)」
今年はちょっとツイてなかった、とも振り返った。それは明け3歳となったアドマイヤマーズの前2走のことで、「千八のレース(共同通信杯2着)はハナを切る形になってしまい、皐月賞(4着)はいいポジションを取れたけど内で包まれて苦しかった」。不運な面はあったにせよ、この2度の敗戦で2歳王者の評価は下降気味。このNHKマイルCも、直接対決で負かしているグランアレグリアに単勝オッズで大きく水を開けられ、1強状態を許してしまう屈辱の評価だったに違いない。
「こんな馬じゃない。スムーズだったらもっと伸びる馬。とにかくスムーズに行こう、それだけを考えていました」
逆襲に燃えていたミルコ&アドマイヤマーズは17番枠スタートから、道中は中団よりやや前の位置取り。この前半の運びに違和感を覚えたファンも多かったのではないだろうか? 当事者の友道調教師ですら「アレ?」と思ったという。
「僕の中での想定では、ゲートをスッと出て3〜4番手。それが押して押しての中団だったので、アレ?と思ったのですが……」
これまでの6戦、父ダイワメジャー譲りのスピードで常に先行好位からの競馬を展開していたアドマイヤマーズ。それがデビュー以来初めての中団から差す競馬。調教師ですら驚くのも無理のない話だが、これはミルコが思い描いたプラン通りの作戦だった。
「外枠がちょっときついかなと思っていたんですが、アドマイヤマーズはスタートで失敗したことがない馬。ゲートを出るのが少し遅くてもいいところに付けられる脚がありますし、スタートしてから決めていこうと。それに、今回は前に行きたい馬がたくさんいましたから、レース前からこれくらいのポジションだろうと思っていました」
負けん気の強さこそがアドマイヤマーズの真骨頂
「直線はずっと伸びてくれたんですけど、他の馬が来たら、耳を絞ってもう1回伸びてくれました。負けない気持ちがとても強い馬、本当に素晴らしい馬です」
この負けん気の強さに、ジョッキー自身と相通じるものを感じるのだろう。ミルコは「愛してます。大好きな馬です」と、アドマイヤマーズの強さを問われた際、そう答えながら何度も大きな笑顔を見せた。