雑音にも負けずミルコ&マーズ千六で二冠 ルメール降着…騎乗停止でダービーアウト

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「これからも一生懸命頑張るだけ。もっと勝ちたい」

「もっと勝ちたい」と気持ちを新たに語ったミルコ、令和でもその腕を存分に見せてほしい 【スポーツナビ】

 また、冒頭の「スッキリ!」はアドマイヤマーズに対してもそうなのだが、自分に対しての気持ちでもあったようだ。5日を終えた時点で41勝をマークし、全国リーディング4位。GI勝利は今年初めてではあるが、まだ前半戦でもあるし、そもそもGIを勝つこと自体がすごく難しいことだし、昨年12月だけでもGIを3つも勝っているわけだから久しぶりのビッグタイトルというわけでもない。それでも、親友であり良きライバルでもあるルメールの活躍があまりに目立つからだろうか、「ミルコの調子が悪い。勝てない」という周囲の雑音が本人の耳にも届いていた。

「調子が良くないと言われていますけど、自分ではそんなことはないと思っています。僕自身、基本的に悪い乗り方はしていないと思っていましたし、人生はいつもいい時ばかりではないと思います。これからも一生懸命頑張るだけ。もっと勝ちたいです」

 初来日から区切りの20年、すっかり日本に馴染みきっているイタリアンは「令和最初のGIを勝つことができて、すごく嬉しいですね!」と、変わらない人懐っこい笑顔を見せた。平成の時代に外国人ジョッキーの新たな形、道を切り開いたミルコの腕は、新時代に入ってますます円熟味を増していくことだろう。そして、千六で二冠を達成したアドマイヤマーズとともに、目指すは令和最初の絶対マイル王者だ。

 なお、アドマイヤマーズの今後だが、友道調教師によると「オーナーとはまだ話していませんが、春はこれでお休みになると思います。現状はマイルで結果を残しているので、マイル中心に使っていくことになると思います」とのこと。

5着グランアレグリア「スタートが良くなくて」

1番人気グランアレグリア(左・青帽)は5着に降着、騎乗したルメールは16日間の騎乗停止処分となった 【スポーツナビ】

 一方、令和最初の“二冠馬”誕生を期待されていた桜花賞馬グランアレグリアだが、桜花賞で見せたようなハイスピードを発揮できず5着に敗れた。

 レース後、「あまりスタートが良くなくて、ずっと引っ掛かってしまいました。3、4コーナーで息が入りましたけど、最後は疲れてしまいました」と敗因を振り返ったルメール。つまりは、最初の後手が全て、といったところか。

 振り返れば、昨年12月の朝日杯FSで敗れた際も、グランアレグリア自身の形に持ち込めず能力を全開できなかった。そこを「経験不足」と陣営は捉えていたわけだが、まだまだ自分の思い通りにリラックスした走りができないと、モロさが顔をのぞかせてしまうのだろう。それでも朝日杯同様に大きく負けていないあたり、グランアレグリアの素質の高さであり、その“若さ”を克服すればひと回りもふた回りもパワーアップする成長の余地を残している。秋の逆襲に期待だ。

 そして鞍上のルメールなのだが、今回の斜行に加え、3月2日にも不注意騎乗による騎乗停止処分を受けており、短期間のうちに同様の不注意騎乗を繰り返したことから、5月11日(土)から26日(日)まで16日間の騎乗停止処分となった。これにより、ヴィクトリアマイル、オークス、日本ダービーの騎乗は不可能に。ダービーでクラシック二冠制覇がかかった皐月賞馬サートゥルナーリアも乗り替わりとなり、ルメールにとっては二重、三重に痛い令和最初のGIレースとなってしまった。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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