牝馬アレグリア敗因は“経験不足”か Aマーズ皐月賞へ名乗り、無敗でGI戴冠
ミルコ、最多タイの朝日杯FS4勝目
アドマイヤマーズは今回の勝利でJRA通算4戦4勝、重賞はGIIデイリー杯2歳ステークスに続き2勝目。騎乗したM・デムーロは2010年グランプリボス、12年ロゴタイプ、15年リオンディーズに続き4勝目となり、これは柴田政人元騎手に並ぶ朝日杯FSトップタイ記録。同馬を管理する友道康夫調教師は同レース初勝利となった。
なお、2馬身差の2着には藤岡佑介騎乗の9番人気クリノガウディー(牡2=栗東・藤沢則厩舎)が入線。単勝1.5倍の断然1番人気に支持されたクリストフ・ルメール騎乗のグランアレグリア(牝2=美浦・藤沢和厩舎)は、2着から半馬身差の3着に敗れた。
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「外から来られたときに反応とバランスが悪くなった」
「残念!」
開口一番にそう語ったのはグランアレグリアを管理する藤沢和雄調教師だ。ひょうひょうとしたいつもの調子で、「道中はいい感じだと思ったけど、右回りが初めてだったのが影響したのか、内へ逃げていた。もまれたこともなかったからね」と、敗戦を振り返った。一方のルメールはと言うと、「ここ2戦は余裕のレースだったから。でも、今日は外から来られたときに反応とバランスが悪くなってしまいました」。
コメントにあるように、道中は楽に2番手に取り付いていたし、特に引っ掛かった様子もうかがえない。これは前走のGIIIサウジアラビアRCのように後続を突き放すだけか、と思ったのも束の間、すぐ後ろを追走していたアドマイヤマーズに抵抗すらできず、逆に突き放されてしまった。
改めてパロールフィルムを確認してみると、確かにトレーナー、ジョッキーが言うように、アドマイヤマーズに並ばれると途端にグランアレグリアは内に切れ込んでいった。そして、両者の話しぶりを総合して考えると、今回の敗戦は、条件的に“初物”が多かった点も含めて、「経験不足」ということになるのだろう。
期待が大きかった分、2馬身半も離されてしまったのはやや不満の残るところでもあるけれど、こうした敗戦の糧と経験を積んで迎える3歳春はどのようにパワーアップしているだろうか? 常識的に考えれば2歳女王ダノンファンタジーと再びまみえる牝馬路線になるが、再度牡馬に挑戦しても面白い。藤沢和厩舎には阪神JF4着のシェーングランツもいるだけに、牝馬2枚看板の使い分けにも注目だ。