青木剛が思い出したサッカーへの情熱 運命の糸に導かれ、東京下町の葛飾へ
南葛SCで新たなスタートを切った青木剛。その表情は希望に満ちあふれていた 【撮影:熊谷仁男】
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南葛SCとの数奇なめぐり合わせ
南葛SCの練習は夜に行われる。昼間に働いているチームメイトとの会話は青木にとって、とても新鮮なものだという 【撮影:熊谷仁男】
そういうことよりもまず、自分の力不足を感じたんです。気持ち的にも肉体的にもかなり落ち込んでしまって、打ちのめされたような感じになってしまって。結果も出ずにJ3に降格してしまい、もちろん責任も感じましたし、力になれないのであれば熊本に残るという選択肢もだんだんなくなってきて、契約していただいていたのですごく申し訳なかったんですけど、そこは自分の気持ちを正直に、熊本に伝えました。
――すると、現役を続行するか否か、という状態だったんですね。
はい。自分のなかではやめてもおかしくなかったと思っています。そのくらい、やめようかどうしようかと悩んでいる時に、岩政大樹さんから電話が来たんです。それで、「やめてどうするんだ?」と聞かれて「カフェでもやろうかと」みたいな話になって。
――こじゃれたカフェの経営、似合いそうです。
そうなっていたかもしれないんですが、その時、大樹さんが「社会人チームでやることもひとつの選択肢だぞ」という話もしてくれて。
――そこで社会人が視野に入ってきた。
大樹さんも東京ユナイテッドFCにかかわっていたので、その辺りの事情はもちろんよく分かっているわけです。何がメリットかというと、もちろん社会人チームなので、サッカーをやらせてもらいながらも働いている選手がほとんど。プロ契約の選手もいますけど、昼間に働いている選手が多い。すると、東京という土地柄もあると思うんですけど、将来の仕事を考えるにあたって、有意義な出会いがあり、人脈ができるぞ、と。社会人チームに属することで、ためになることが多い。
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