オランダが誇るキックの名手が代表引退 スナイデルとのお別れは「おでこ」で
世界屈指のプレースキッカーが代表ラストマッチ
今もカタールのアル・ガラファでプレーするスナイデルだが、代表キャリアには終止符 【Getty Images】
前半のオランダは立ち上がりの悪さ(これは代表チームのみならず、クラブチームも含めた近年のオランダの弱点だ)をペルーに突かれ、13分にDFダレイ・ブリントのミスも絡んで、ペドロ・アキーノに先制弾を決められた。
ワールドカップ(W杯)ロシア大会ではグループリーグ突破こそならなかったものの好チームであるペルーに、前半のオランダは圧倒されてしまった。スナイデルにとっては気の毒なことに、前半終わりの笛が鳴ると、観客席からブーイングが浴びせられた。
後半もキックオフからペルーに怒涛(どとう)の攻めを許したオランダだったが、この時間帯をなんとか持ちこたえると試合の流れはようやく変わり、スナイデルのスルーパスもさえるようになっていく。54分には、中盤でこぼれ球を拾ったスナイデルが、間髪入れずダイレクトでスルーパスを蹴り込み、これを受けたルート・フォルマーは完全にフリーになった。首を振りながらドリブルし、完全に自分がフリーなのを確認したフォルマーだったが、力んでしまいシュートをふかしてしまった。
「スナイデルよ、ありがとう」
奇しくもプロデビュー時の監督だったクーマンが、代表で最後のボスに 【Getty Images】
アヤックス時代にスナイデルをトップチームでデビューさせたのはクーマン。その指揮官とガッチリ握手を交わし、スナイデルはベンチに退いた。
「ウェスリー・べタンクト! ウェスリー・べタンクト! ウェスリー、ウェスリー、ウェスリー、ベタンクト!」
ウェスリー・スナイデルよ、ありがとう――という大合唱が始まった。スタジアムは完全にお祭りムードとなり、83分にはまたしてもデパイがゴールを決めて、オランダは2−1という勝利とともに、スナイデルを送り出すことができた。