IDでもっと便利に新規取得

ログイン

北島康介にとってのアジア大会とは!?
「あの世界記録があったおかげで…」
アジア大会における競泳の注目ポイントや、自身がかつて出場した同大会の思い出を北島康介さんに語ってもらった
アジア大会における競泳の注目ポイントや、自身がかつて出場した同大会の思い出を北島康介さんに語ってもらった【写真:坂本清】

 8月18日にインドネシア・ジャカルタで開幕を迎える第18回アジア大会。4年に一度、五輪と同じように総合大会として行われるこの大会で、2002年に初めて200メートル平泳ぎで世界記録を樹立し、04年のアテネ五輪100メートル、200メートル平泳ぎ2冠という快挙につなげた北島康介さんに、当時のことを振り返っていただきながら、今年のアジア大会で期待することなども含めて、じっくりとお話を伺った。

「世界と戦える」自信を持った大会

02年のアジア大会で世界記録を出したことにより、2年後のアテネ五輪に弾みがついたと北島さんは振り返る
02年のアジア大会で世界記録を出したことにより、2年後のアテネ五輪に弾みがついたと北島さんは振り返る【写真:アフロ】

――北島さんは、02年に初めてアジア大会に出場されました。当時のことを振り返っていただけますか?


 やはり200メートル平泳ぎで世界新記録(2分09秒97)を出した記憶が強いですよね。でも、直前のパンパシフィック水泳選手権では200メートルを棄権していましたし、調子は決して良くない状態だったので、自分でも世界記録が出てびっくりしていました。


 というのも、当時は自分としては「100メートルで戦っていくんだ」という気持ちのほうが強くて、まだ200メートルには苦手意識を持っていました。それに04年のアテネ五輪に向けて体を作っていく最中だったので、すごくケガも多かった時期だったんです。そんななかで「あれ、200メートルもしっかり泳げた」という感じでした。世界記録が出せてうれしい反面、苦手意識を持っていた200メートルも頑張らないといけなくなってしまう、みたいな(笑)。あらためて「平泳ぎって難しい」と思ったレースのひとつでした。


 そういう複雑な気持ちもありましたけど、自分が100メートルと200メートルの両方で「世界と戦えるんだ、五輪で金メダルを目指せる可能性があるんだ」という自信が持てた大会でもありました。


――水泳競技で言えば、五輪の中間年に行われるアジア大会という試合は、どのように位置付けていましたか?


 自分が出場していた当時は、競泳で言えばまだアジアは世界的に弱いポジションにいましたし、世界からはわりと重要視されていなかった大会だったと感じています。ですが、自分が世界記録を出したり、アジアから世界一になる選手もたくさん出てき始めたりして、ちょうどアジアが世界から注目を集めるようになり始めた時期だったんじゃないか、と思います。


 僕の場合だと、当時はアジア大会でライバル争いをする選手がいませんでしたから、勝つことよりも、どちらかと言ったら2年後の五輪に向けて自分に勢いをつけたり、そのための目的や目標を持って臨んだりする大会でした。実際、02年はあの世界記録があったおかげで、2年後のアテネ五輪ではもう金メダルしか見えなくなったことは間違いないです。もう自分が世界を取るんだ、と。今振り返ってみると、自分のアジア大会での世界記録をきっかけにして、コーチや関係者含めて、みんなが「この波に乗っていくぞ!」というテンションになれたような気がします。


 それと、各競技団体で行われる世界選手権のような大会ではなくて、アジア大会は五輪と同じ総合大会ですから、五輪に近い雰囲気を味わえる良い機会でもありました。今年のアジア大会も、20年の東京五輪を見据えてどんな戦いをするのか、ということが大切になってくるんじゃないかと思います。

今回のアジア大会は、2年後の東京五輪を見据えてどういう戦いをするかがポイントになる、と北島さんは指摘する
今回のアジア大会は、2年後の東京五輪を見据えてどういう戦いをするかがポイントになる、と北島さんは指摘する【写真:坂本清】

――14年のアジア大会で平泳ぎ3種目を制したドミトリー・バランジン(カザフスタン)も突如現れて、その勢いで2年後のリオデジャネイロ五輪の200メートルで金メダルを獲得しました。


 そうですね。競泳だけで見ればいろいろな国からいろいろな選手が出場できる国際大会であって、誰にでも勝つチャンスがある大会だと思います。だからこそ、日本代表の選手たちには勝つだけじゃなくて、2年後に勢いをつけるためにも記録も貪欲に狙ってほしいです。

田坂友暁

1980年、兵庫県生まれ。バタフライの選手として全国大会で数々の入賞、優勝を経験し、現役最高成績は日本ランキング4位、世界ランキング47位。この経験を生かして『月刊SWIM』編集部に所属し、多くの特集や連載記事、大会リポート、インタビュー記事、ハウツーDVDの作成などを手がける。2013年からフリーランスのエディター・ライターとして活動を開始。水泳の知識とアスリート経験を生かした幅広いテーマで水泳を中心に取材・執筆を行っている。

スポナビDo

新着記事一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント