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驚異の18歳・池江璃花子インタビュー
アジア大会、東京五輪…見据える未来とは
初のアジア大会出場で、メダル獲得も期待される池江璃花子(左)に、大会のキャスターを務める高橋尚子さんがインタビューを行った
初のアジア大会出場で、メダル獲得も期待される池江璃花子(左)に、大会のキャスターを務める高橋尚子さんがインタビューを行った【スポーツナビ】

 4年に一度開催されるアジア最大のスポーツの祭典、第18回アジア大会がインドネシア・ジャカルタで8月18日に開幕する。


 40競技462種目に、45の国と地域が参加し、アジアの頂点を目指してしのぎを削る。競泳は8月19日から24日までの日程で行われる。


 日本からは、自由形とバタフライを専門とし、今年に入り15回も日本記録を更新している池江璃花子(ルネサンス亀戸)や、前回大会で4個の金メダルを獲得し、大会MVPにも輝いた萩野公介(ブリヂストン)らが出場する。有力選手が多い欧米勢が出場しないとはいえ、2年後に迫った東京五輪へ向かう中で今大会は貴重な国際経験の舞台となる。前回大会では金メダル12個を獲得した日本。今大会でもメダルラッシュが期待される。


 今回は初のアジア大会に臨む池江に、1998年アジア大会(タイ・バンコク)女子マラソンの覇者、2000年シドニー五輪金メダリストで、TBSのアジア大会スペシャルキャスターを務める高橋尚子さんがインタビュー取材を行った。

さらに上を目指すきっかけとなったリオ五輪

リオ五輪の女子100メートルバタフライでは0.23秒差でメダルを逃した。この大会をきっかけに「さらに上を目指したいと思えた」という
リオ五輪の女子100メートルバタフライでは0.23秒差でメダルを逃した。この大会をきっかけに「さらに上を目指したいと思えた」という【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

高橋 今までに日本記録を45回、今年に入って15回更新と驚異的な勢いですが、自分の中での手応えはいかがですか?


池江 回数で言われると自分でもビックリしますが、自己ベストに「日本記録」という名前が付いているだけかなと感じているので、まだまだこれから記録を伸ばしていきたいなと思っています。東京五輪でメダルを取るためにも、日本記録とは言わず、世界記録を目指していきたいなと思っています。


高橋 2016年のリオデジャネイロ五輪はご自身にとって初めての五輪でしたが、振り返ってどんな大会でしたか?


池江 五輪には「魔物がすんでいる」と聞いていましたが、実際その魔物というのは自分の心の中のプレッシャーだったり、緊張だったりだと私は思っており、ちょっとビビっていました。しかし、思ったほど他の試合と変わらないなというのが一番の印象です。五輪の決勝に行った時は、360度観客席があり、とてもたくさんの人が見に来てくれたので、ワクワクしている方が大きかったですし、会場がキラキラ輝いているようにも見えました。


高橋 でもそうやって身近に感じられて、決勝にいって0.23(秒差)です。その差は今はどう感じていますか? (編注:池江はリオ五輪女子100メートルバタフライ決勝で、0.23秒差で表彰台を逃した)


池江 「あとちょっとだったな」と思いますが、その時の全力は出せました。しかし自分の中での目標が決勝に残ることだったので、そこで満足してしまった自分もいたなと、振り返って思います。


高橋 五輪を経験したことにより、自分の中で世界に対する思いなど変化はありますか?


池江 世界の視野が広がった感じはあります。15年に初代表だったのですが、その時は準決勝にもいけないくらいのレベルでした。しかしその15年と(リオ五輪の)16年の間でやはり世界に向けて頑張りたいと思えましたし、リオ五輪が終わってからさらに上を目指したいと思えたので、すごく良い試合だったなと思います。

「泳ぎたくない」時期からの気持ちの切り替え

2017年は試練の年に。思うような泳ぎができず「気持ちが折れていた」とも
2017年は試練の年に。思うような泳ぎができず「気持ちが折れていた」とも【写真:エンリコ/アフロスポーツ】

高橋 ただ、リオ五輪の次の年、日本選手権(愛知・日本ガイシアリーナ)と世界水泳(ハンガリー・ブダペスト)で思ったように泳げず号泣している姿もありました。何が原因でしたか?


池江 練習に対しての気持ちが全く入らず、気持ちが折れていて「泳ぎたくない」という日もありました。それが積み重なって不安になっていき、実際に結果も良くなかったという感じです。昨年の日本選手権が終わってコーチが変わったのですが、プールにポツンと一人という時もありました。8コースのプールがある中で、コーチと私一人みたいな……。すごく辛かったなと。結局は気持ちの問題だったのですが、すごく寂しかったですね。


高橋 やはり一人になると発散するところがなく、自分の中でそれを解決しなければならないという精神的な部分が大きいですか?


池江 そうですね。水泳は一人で戦う競技なので、結局は一人になるけど、やはりちょっとでも周りに人がいてくれた方が(良い)という感じではありました。


高橋 確かに周りも頑張っていたら、「あの子も頑張っているから私も頑張らなきゃ」と励みになりますものね。そういった時に自分の中でどうやって解決したのですか?


池江 世界水泳まで何も解決できずにそのまま試合に突入したので、その時は全然自信もなく、決勝に行けるかどうかも不安でした。タイムは正直この感じだと出ないだろうなと思っていましたが……そこからすぐ気持ちを切り替えて、次の試合(米国・インディアナポリスでの世界ジュニア選手権)では日本記録も出せたので、すごく経験して良かったなという年ではあります(編注:50メートルバタフライで25.46を記録)。そして10月からの新シーズンが始まった時、絶対昨年みたいな思いはしたくないと思ったので、練習にも身が入るようになりました。17年の結果があったからこそ今シーズン頑張ろうと思い、それが原動力になりました。


高橋 何か今までと違う取り組みをしましたか?


池江 今までと大きく変えたものはないですが、やはり練習の質は上がってきていると思います。あとはその中で練習のレベルやタイムが上がってきています。


高橋 ウエートトレーニングを取り入れたという話もお聞きしましたが。


池江 ウエートはリオ五輪の前からちょっとずつやっていて、本格的にやったのは今シーズンからです。とはいえ水中でトレーニングをするのが一番なので、ウエートで筋肉をつけまくるという感じではないですが、自分に足りないところを補ったりという感じではあります。


高橋 今年の日本選手権(東京・辰巳国際水泳場)では前半部分がほとんどの種目で速くなってきているように感じますが、その中での取り組みはあるのですか?


池江 今まで16年も17年も世界大会で前半遅れているというのが自分の課題だったので、前半を置いていかれないように、スピードや持久力も(大事)ですが、前半(速く)いく体力もつけていきました。


高橋 体力がついて練習での変化はありますか?


池江 失敗は練習でしかできないので、きつくてもへばってでもいいから、しっかり始めから全力でいく練習などを多く取り入れるようになりました。

構成:スポーツナビ

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

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