レインボーライン春盾制覇も右脚故障……岩田「涙も出ない」3年ぶりGI勝利
“不動”貫いた岩田、最後は真骨頂のイン差し
ゴール前のイン差しはまさに岩田の真骨頂だ 【スポーツナビ】
「出入りの激しい競馬でしたが、レインボーラインは直線で必ずいい脚を使ってくれると信じていました。だから、我慢できるだけ我慢していこうと。馬自身がしっかりと我慢してくれましたし、(3コーナー)下りをうまいこと行けたのが勝因だったと思います。ゴールするまで勝ったかどうか分かりませんでしたけど、最後は馬の根性で勝ってくれました」
この10年、天皇賞・春は1枠が5勝を挙げたのに対し、5枠から外枠の馬は2勝しかできていない。明らかに内枠有利の傾向が出ている中、レインボーラインは外めの6枠12番発走。「ロスなく前半を乗れれば最後は脚を使ってくれる。自分のさばき次第」と臨んだレースは、岩田の巧みさが存分に発揮された。前述した道中の運びはもちろん、「必ず伸びる」と信じて追った最後の直線も、「内も外も行けるスペースがありましたけど、思い切って内に行きました」。馬群を縫うように突き抜けた“イン差し”は、まさに岩田の真骨頂だった。
「次はレインボーラインと一緒に笑顔でGIを取りたい」
笑顔なきGI勝利の岩田(右)、次はレインボーラインとともに笑顔の勝利を期待したい(左は浅見調教師) 【スポーツナビ】
レインボーラインの右前脚の状態に関しては、週明けの火曜以降にも詳細が分かるだろう。岩田が願ったように、1日でも早く元気な姿でターフに戻ってきてほしい。そして、復活なった名手とのコンビでGI戦線主役の1頭として大いに沸かせてほしいものだ。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)