辻直人「勝たないといけない試合だった」 W杯1次予選 台湾戦後の選手コメント

スポーツナビ

チャイニーズ・タイペイ戦後、辻(右)は「勝たないといけない試合だった」と振り返る 【松岡健三郎】

 バスケットボール男子日本代表は22日、「FIBAワールドカップ(W杯)」のアジア地区1次予選のチャイニーズ・タイペイ戦に臨み、69−70で敗れた。

 日本は第2クオーター(Q)を終えて35−29とリードしていたが、第3Qに連続失点を喫して39−40と逆転を許す。第4Qは最後に追い上げを見せたが、1点届かず3敗目を喫した。

 試合後、この日チーム最多の26得点を挙げた辻直人(川崎ブレイブサンダース)は、「本当に勝たないといけない試合だった」とこの試合の重要性を語り、「勝負どころの第4Qの5分間で、自分たちのバスケットをあまりできなかった」と敗因を分析した。また、「選手の中でもっと話をしないといけない」という主将の篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)は、コミュニケーションの必要性を訴えた。

 日本は次戦、25日にアウェーでフィリピンと戦う。

辻直人(川崎ブレイブサンダース)

「タッチは良かった」という辻はチーム最多の26得点を挙げた 【松岡健三郎】

「第4Qで自分たちのバスケットをあまりできなかった」

 本当に勝たないといけない試合だったと思います。前半をリードで折り返したところで、第3Qで良い展開に持ち込めたら、違う結果になったと思います。あとは勝負どころの第4Qの5分間で、自分たちのバスケットをあまりできなかったところが敗因だと思います。出だしはあまりいい展開でバスケットができていなかったけれど、僕が入って追いついて、逆転できたというのは、自分としては上出来だったと思います。

(チーム最多の26得点だったが)1本目のミドルシュートは外れたんですけれど、タッチは良かったので、いけるかなと思って強気でいきました。相手のビッグマン、ピック&ロールに対するディフェンスがよくなかったので、そこでうまく攻められたと思います。

(最後のスリーは)何としても追いつかないといけないので、空いたら打とうと思って打ちました。次の(相手の)フィリピンとは、すでに1回戦っているので、どういう相手なのかは分かっています。そこで自分たちが分析して、いい準備をして戦えば、簡単に負ける相手ではないと思います。絶対に勝てると思って、自分たちを信じてやりたいです。

(第3Qにリバウンドを取られて離された。日本はずっとリバウンドが課題と言っているが、前半は相手を上回っていた。辻選手は何が理由だと考えているか?)第3Qはリードしている状態で始まりましたが、じりじりと相手にルーズボールを取られてしまっていました。それで相手のシュートをどうしても見てしまって、ボックスアウトが遅れたりしました。こういう国際試合の相手は、飛び込みリバウンドがどのポジションの選手も強いし、フィジカルも強い。そういったところを自分たちは分かっていて、練習でも徹底してやっていこうとしていたし、40分間やり続けないといけないところなのに、試合の中でどうしてもそういうところでシュートを見てしまう。ちょっとしたタイミング、一瞬だと思うんですけれど、見てしまう。第3Qはそれが多かったと思います。

(試合後のロッカールームはどういう雰囲気でどう感じた?)雰囲気はやはりこの結果を受け止めていましたし、コーチからはフィリピン戦がすぐにあるので、もう1回ここで気を引き締めて、次に向けて準備をしようという話がありました。それぞれ思うことはあると思うんですけれど、今日はとにかく落ち込んでいると思います。

(辻選手は8本スリーを決めたけれど、チームのオフェンスは機能していなかった。どこを修正していけばいいのか?)それぞれの持ち味を出し切れていなかったと思います。スタッツを見てもそうですが、シュート確率もそれほど高くない。普段から自チームでやっているようなプレーが、相手は違うんですけれど、そういうプレーを出そうとしたら、もっと違うことのできる力を持った選手がいる。そういうプレーを心がければいいし、日本代表だからとプレースタイルを変えることは求められていないと思います。僕が見ていて、そういうことをもっとやればいいのになとは思います。

 負けられないというのはあったし、もちろん責任感やプレッシャーもあります。そういった中で戦うことは厳しいと思いますけれど、そういう気持ちを持ちつつも、自分のプレーをもっと出さないといけないと思います。フィリピン戦まで3日くらいありますが、精神的な部分を見つめ直し、切り替えることが必要だと思います。

篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)

篠山(前列の右から3人目)は「選手の中でもっと話をしないといけない」と語る 【松岡健三郎】

「選手の中でもっと話をしないといけない」

 誰がシュートを打つべきかとか、そういう「判断のミス」があったと思いますし、打てるのに打たないというミスもあったと思います。本当に細かい積み重ねですけれど、そういう1つ1つのコミュニケーションが足りなかったかなと思います。とにかく、選手の中でもっと話をしないといけない。ただハードにやるとか、一生懸命というのではなく、みんなで頭を使って、相手の強みや弱み、自分たちの強みが今どこなのか、そういうところの冷静さ、状況判断がもっともっと必要かなと思います。

(終了間際のフリースロー2本目は、わざと落としてリバウンドからの攻撃を狙ったのか?)はい、僕の判断でそうしました。チームメートとも話はしました。

 日本代表として戦う以上は、国の代表という誇りを忘れてはいけないと思います。とにかくこのユニホームを着てコートに立つ権利がある以上は常に全力で、一瞬一瞬のプレーにすべてを注がないといけないと思っています。今日はとにかくしっかりと反省をして、短い期間でフィリピン戦があるので、グループの士気を高めていけるように、そこは率先して引っ張っていきたいと思います。

(会場の雰囲気は?)前回のフィリピン戦をホームで戦った時もそうですけれど、すごく後押しをしてもらえたと思います。なかなか結果が出ない中で、これだけ温かい声援をいただけるのは非常にありがたいです。だからこそ、結果で応えたいと思っています。本当に感謝しています。

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